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私が思う、うまいサッカー少年のイメージ
第34回全日本少年サッカー大会の都道
府県予選が行なわれている事でしょう。
地区トレセンコーチは、予選の戦いを見なが
ら「選手の発掘」をしている地域もあることで
しょう。
(ケース1 )
私が、「この子は伸びそうだなあ、この子
はウマいなあ」というイメージがあります。
例えば、左ハーフのポジションの子を見て
いるとします。 その子が、仲間が敵から奪っ
たボールを要求しました。
パスが来ます。
相手ゴールに向かって走りながらボール
を受けようとしています。
パスは足もとに要求しました。
このような時に、ボールから目を離して、
相手の位置や様子を見る事ができる子。
まず、このような子に目が行きます。
ボールコントロールに自信がないとできな
い動きです。
また、判断するためには前方の様子を見
る事が大切という意識が習慣として身につい
ています。 何気なく前方を見るしぐさひとつ
に、それが、習慣化しているものかどうかを
見分けることは、このメルマガの読者にもで
きると思います。
こんな子は、「伸びそうだなあ」と思いま
す。
(ケース2)
そして、次の場面。
ボールのタッチの仕方を見ます。
相手の逆を取るように、フェイントを入れな
がら、ワンタッチで思った所へボールをコント
ロールする。 ファーストタッチですね。
このタッチで注目するのは、タッチの柔ら
かさとともに、自分とボールの関係だけでな
く、相手やスペースを意識して、ファーストタ
ッチで自分の有利なコントロールが出来ると
いう事です。 ウマいなあと思うのは、相
手の逆を取る場面ですが、さらにウマいと思
うシーンを見る事があります。
それは、ボールを受ける前から持っていた
イメージ通りに行かないと思った瞬間に、判
断を変える事です。
ああ、この子は縦にドリブルをしようとして
いるなあ。でも、相手のセンターバックがカ
バーに入ってきている様子が見えていれ
ば、中央のスペースに入っていくとシュートチ
ャンスが生まれそうだなあ。
こんな状況です。
判断を変えられない選手は、縦に突破を
図って、囲まれてしまうかも知れません。
でも、縦もある、中もある、ドリブルもある、
パスもあるという選択肢を持ちながら細かく
判断を変える、それも瞬時に変える事ので
きる子を見かけると、「ウマい」と思ってしま
います。
何がウマいのかというと、サッカーがウマ
いのです。
ドリブルやフリーキックだけが突出してい
る子もいる事でしょう。それは、長所として認
めます。
しかし、私が「ウマい」と感じるのは、サッカ
ーというゲームの流れでのプレーが身につ
いている子です。 小学5,6年生になるとこ
のようなプレーが習慣化して無意識に出来
る子が出てきます。3、4年生でも見られま
すよね。 ゲームという実戦の中で「ウマさ」を
発揮できる事。 単純で退屈なつまらない練
習でもコツコツと続けて来た子、そんな子の
中に「ウマさ」を見せる子が多いような気がし
ます。
あの子ウマいなあ! 意外にそんな子は、
人知れずコツコツと練習を積んでいたりしま
す。 明日から、レッツトライ!
(2010/4/28 noboコーチより)
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リフティングの練習は見ていて、やはり子
供によって向き不向きがあるようです。
ボールがうまくコントロールできなくて四方
八方に飛んでいってしまってだんだん、嫌気
がさして嫌いになっていきます。
だからといって、出来ない子供は出来ない
ままではとても残念です。では、そもそもリフ
ティングというものは何のためにするか?
ということを考えてみましょう。
まず、一番飛びつきやすい目標は「回数」
です。
目標設定という見方からすれば誰の目か
ら見てもわかりやすしとても簡単です。
これは、初心者にでも何とかその回数まで
蹴れそうな子供たちにとって、リフティング
ができるようになるまではとても有効です。
しかし、その次の段階・・・目標回数まで蹴
れちゃった子供、挫折してしまった子供には
どうしたらよいでしょう?
私の経験から言わせてもらえれば、コーチ
の価値観を少し変えることも大切だと思いま
す。
価値観を変えるということは、リフティング
の質を変えるということです。
では、質を変えるとはどうゆうことでしょう
か?
一概にリフティングと言っても、そこにはい
ろいろな蹴り方があります。
一番、オーソドックスな蹴り方ではロボット
リフティング〔棒リフティング〕があります。文
字通り、リフティングしている足が棒のように
まっすぐになりながら蹴っているリフティング
です。
このリフティングでは、何万回蹴れようとも
サッカーというゲームの中では実際にはあま
り使い物になりません。
やはり、サッカーが上手といわれている小
野選手や稲本選手のように膝が柔らかく曲
がり足が自由に使えるようになるのが大切
かと思います。
ロボットリフティングと膝が柔らかく曲がる
リフティングをコーチが見分けられ、その違
いを指導できるようになれば子供たちの心
の中でもリフティングの質、価値観が大きく
変わると思います。
一人一人のリフティングの今の姿をビデオ
撮って〔ビデオをまわしぱなしで、一人30秒
〜一分くらい時間でビデオに収める〕2ヶ月
後に同じことをすると成長記録にもなりま
す。
蹴れない子供にはワンバウンドリフティン
グでもかまわないと思います。
なぜならば、回数を競うのではなく足の柔
らかさや膝の曲げて蹴っている
〔通常これをタッチ呼び、それが見た目柔
らかいとソフトタッチと呼びます。硬いと、な
ぜだか「タッチが硬いな」といいます。〕という
視点で見るのですから出来ない子供は出来
ないなりにその目標に近づける方法としては
最良な方法なのですから・・・努力しているこ
とを褒めてほしいと思っています。
ワンバウンドだからといって空中だけで出
来る子供たちと差別しないでください。
なぜならば、出来ない子供にとってワンバ
ウンドでしか出来ないということはそれだけ
で引け目を感じているからです。
moちゃんも言います。
「リフティングの良し悪しは5〜6回蹴れば
わかるよ。」
それの基準は、タッチが硬いか柔らか
い・・・言い換えれば膝が柔らかく曲がってい
るどうかを見ているからです。
もちろん、空中だけで出来る子とワンバウ
ンドでしか出来ない子供では差はあきらにあ
りますが、柔らかタッチを身に付ければドリ
ブルやボールキープ、トラップといったボー
ルコントロールも滑らかになり見た目にも明
らかに変化が感じられると思います。
そうすれば、子供たちもリフティングの大切
さを知りもっとリフティングによって足を柔ら
かく使えるようにしたいと言う気持ちが湧き
上がってくると思います。
リフティングというものは、本来回数を競う
ものでなく足首や膝、そして足全体に柔らか
いタッチを覚えるための練習なんです。
そのためにも、子供たちに接する監督コー
チがリフティングの大切さを漠然と説くので
なく、実際に足をどのように使ったらいいか、
どのようなリフティングが悪い見本なのかと
いうことを知ることが大切です。
子供たちに手本が見せられれば1番いい
のですが、大人が出来るようになるのは至
難の業だと私も知っているので〔笑〕知識とし
て、理論として説明できることが出来ればい
いかと思います。
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私は彼らを早く大人のプレーヤーにし過ぎてしまったのです。 |
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競技種目違いますが、日本頂点に子供た
ちを立たせたある指導者が・・・その後のご
自身の経験から感じ取ったスピードとパワ
ーへの疑問を投げかけています。
ケンさんのウェーブリフティングとスーパー
ジンガではるか地球の向こう側サッカーの
本場で勝負しているお子さんがいると言うこ
とはとても素晴らしく、また多くの子どもたち
にとって励みになることだと思います。
実は私自身は今からだいぶん昔の若いこ
ろに恩師に命じられ、中堅チームであった
母校のラグビー部のコーチとなり4年間ほど
で強豪チームを育てる目標を立てました。
当時自分は若くコーチングの経験がない
ために、協会の主催する勉強会や認定試
験それにイギリスやフランスの指導書を入
手したりして必死に勉強したものでした。
そして自分が採った方法はまず徹底的に
走る練習をさせ、その上に技術と戦術を積
み上げることでした。
限られた時間の中で結果を出すために、
いわゆるスピードとパワーを前面に押し出
して相手の弱点を徹底的に突く狡猾で早熟
な、いわゆる勝つラグビーです。
結果、ラグビーブームで競技人口が多く
競争の激しかった時代に4年間でコンスタ
ントに国内大会において好成績を収め、最
後の年には国内で首位を争うまでになりま
した。
それはそれは過酷な練習を課したのです
が、子どもやご父兄・恩師にはとても感謝さ
れたものです。
その後たまたま仕事でヨーロッパに住む
機会に恵まれ、現地のクラブチームでのび
のびとした子どもたちの練習に触れ、1年
余りを経て日本に帰国し、ふたたび母校を
訪れました。
自分が育てた子どもたちは大きくなり、さ
ぞや活躍していることと楽しみにしていた
のですが年を重ねるごとに私の指導が彼ら
の伸びしろを奪っていたことを思い知らされ
ました。
私は彼らを早く大人のプレーヤーにし過
ぎてしまったのです。
その後私は仕事に没頭し、ふたたび子ど
もたちを指導することはなくなりましたが、
今で心底心残りなのは子どもたちの目先の
勝利にこだわったあまりに、長期的な視野
をもたずに、成長の芽を摘んでしまったこと
です。
おいしい果物を実らせてあげるのに、土
壌や根っこを十分に養生せずに、枝葉や実
ばかりに目が行ってしまったのです。
ですから、私自身サッカーのことはわから
ないのですが、サッカーが大好きな息子や
次男、そしてそのお友達たちには小学生の
うちは極力サッカーそのものを楽しむ、サッ
カーを心から愛せるようになることが何より
と思い、そのことが第一になるような接し方
を心がけています。
どの競技においてもある程度大人になる
時期には、骨身を削るようなハードワーク
は競争に勝つ上で必須となりますがそのと
きに心からサッカーを愛し続けられるような
感性と神経と基本技術を持ち合せているこ
とがあらゆる苦難を乗り越える上で大きな
糧となることと思います。
そのような意味において、この時期にジン
ガ〜ウェーブリフティングに出会いそのビデ
オを子どもに与えてあげることができること
は、親として何よりだと思います。
息子はこのビデオを見るようになってから
は、すぐには出来ないことでも実に楽しそう
にじっくりと気長に取り組んでいるように思
えます。
親として、自らの力で課題を克服し始めて
いるわが子を気長に見守ってあげようと
思っています。
そ れが指導者であった私の教え子たち対
する一つのお詫びでもあるのです。
どうかこの体験を多くの親御さんや指導
者の方に教えてあげてください。
朝寝坊君の父親より
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2006,9,17
昨日の土曜日の昼下がりの仕事中、
突然に滅多にかけてこない息子moちゃん
から電話・・・。
「親父、フェイントバイブルのテク全てやっ
た。」
少し、興奮気味にそう言い放つ息子に
「時間はどれくらいかかった?」
と聞いてやった。
「そうだな、二時間くらいかな・・・。」
その言葉後は、怒涛のごとくテクの解説と
テクの弱点、(もちろん、彼なりの見解では
あるが・・・師匠のケンにケチをつけていの
だからこちらの方少しドギマギしてしまっ
た。)そしてその改善策を話し出すこと10数
分・・・。
こちらも、誰も見られないように物陰で
隠れて聞いていたがやはり少し長すぎの
で・・・話したりなそうな息子に。
「仕事中なんで、そろそろ」と言ってその
場は電話を切りました。
自宅に帰り、放り投げだされたフェイント
バイブルを拾うと所々に、恐れ多くもアドバ
イスが汚い字で走り書きしてあった。
自分なりにシュミレーションした後がくっき
りと残る走り書きだった。
ペラペラとページをめくっていると息子が
来て・・・。
「すげー、勉強になった。コレ知ってい
るのと知らないのじゃ。天地の違いがある
よ。」
本で紹介しているテクを体現する能力
があるこからこそ、そのテクをした時に
こんなことしたら面白いぞ、こんな事も出
来るじゃん。まてよ、こんな手間のかかる
ことよりもこの方がいいじゃん。
なんて自然と疑問やひらめきとして、次へ
の発想や創造が生まれてくる。
小学生の子供を持つ親御さんに強く
お伝えしたい。
足を手のように自由に動かせるように
させてください。
ボールを止める、蹴る、そして、スピード
の強弱が付けられるように・・・。
おそらく、多くのチームでは練習しない
ようなことかもしれないし、多くの人が細か
なドリブルは素質を持った人だけの特別な
ものだと思っているかもいれません。
コンピュータのウィンドーズを開発した
ビル・ベイツはこのようにインタビューに答
えていたことがあります。
「キーボードをただ打つだけならば私より
も早く文字を打ち出す人はたくさんいます。」
この言葉を個人的にこのように解釈してい
ます。
キーボードを打つという基本動作を徹底
的に覚えれば多少早かろうと遅かろうと、問
題はない。
そして問題は、キーボードを打つ、言い換
えればコンピュータという道具から何が創造
できるかということのほうが大切だと私は感
じ取りました。
ボールを止める、蹴る、そして、スピード
の強弱が身に付けられるということは、見た
ものをそのまま体現できるということです。
そこまで何の苦もなく出来てしまえば後は
そこから次つぎと生まれてくるアイデアなり
発想なりを楽しめるのです。
息子は今朝、あった時もニタニタとながら
体がフェイントらしき動きをしていました。
おそらく、たくさんのアイデアが頭の中に
駆け巡っているだと思います。
まさに、サッカーを楽しむというのはこのよ
うなことなんだと感じさせてくれます。
もちろん、最後に付け加えておきます。
息子がリフティング100回出来るまでは
四年生の春です。
小一からの三年間はリフティングが出来な
くて本当に毎日泣きべそかいていました。
本当は息子は運動音痴なんです。
それでも、ボールと格闘していました。
今となっては、笑い話ですが・・・。
そのくらい、辛い日々があって今の息子が
あると言う事を知ってほしいのです。
一度、心ざしをもったならば頑張って
欲しいです。
では・・・。
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「リフティング&ジンガバイブル」の本と
「ジュニアサッカーを応援しょう」の雑誌
(どちらもカンゼン出版発行)を買って頂いた
ある武道を精通している方からケンの
ウェーブリフティングについて興味深い考察
をいただので掲載いたします。
管理人 かっちゃん
この本と雑誌に着いているDVDで
土屋健二がしてるウェーブリフティングの動
きの違いのレポートと言う事ですが、あまり
文章でそういった事をした事が無いので、
うまく書けませんが・・・。
私が学んで来た武道的な観点で申しますと、
まず体の各所の(力の)抜き所ですが、これ
は胸、股関節、膝、足首が同時に抜けてない
といけないのです。
その時に生じた反作用と言いますか、
フォロースルーと言いますか、(鞭でしなっ
た時の最後の鞭の先のうねりみたいなも
の)を一点に一致させなければいけない訳
です。
これにより各所の一つ一つの力を合わせ
大きな力を出す、と言う事なんです。
しかも重力を利用して抜くので、筋肉に力
を込めずそれ程疲れないと言う事になります。
偉そうに書いてしまいましたが、ケンさん
の「リフティング&ジンガ」の方は、下半身
の抜きは一致していますが、胸の抜きによ
って生じる波の足先までの伝わりが、やや
弱いという印象を受けました。
それに比べ「ジュニアサッカーを応援しよう」
の方は、胸(みぞおちのやや上部分)が良く
波を打っており、つま先まで抜きの力が伝わ
っていて、全身の抜きの力がつま先で一致
しています。
わかり易く言いますと、体全体でよりこん
にゃく状態になっていると言う事です。
実は日本人にはこの胸の抜きが一番難し
い様なんです。
日常生活において、胸抜きを意識する機
会が無い為です。
(カポエラでは前と後ろで手を叩く動作が、
胸の抜きを無意識に会得させているのかも
しれませんね。)
いずれのDVDにしてもケンさんのテクニッ
クはすばらしいものですし、この様なことが出
来る人が居たんだと本当に驚いております
(この間のメールで二軸の事を書かれてま
したが、ジンガはまさに二軸ですね、あと足
裏の粘る感覚)。
これから先の事を想像すると、一体どれ位
の高み(レベル)まで行っちゃうんだろうと本
当にわくわくします。
その驚きによって私自身も新たな気付きが
あり成長出来ると思っております。
親子共々これからも応援させて頂きます。
今回、感覚的な事を文章にするのはとても
難しく、またそう言った立場でも無い為、慣れ
ておりません。
その為、大変読み辛い事と思いますが何
卒ご寛容の程お願い申し上げます。
(匿名にて) |
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ビデオHの感想をお伝えします。
Moちゃんを見て思うことは、「みんなこんな
ボールの扱いをしたいと思うんだろうな…」、
です。
サッカーは足でやるスポーツだと一般的に
は認識されています。でも、足でだけを使う
スポーツというわけではなく、本当は手を使
っちゃいけないルールなわけです。
ウェーブリフティングは、足以外のどこの
力を利用すれば上達の近道になるのか。そ
ういうつもりでいると素直に見ていけると思
います。
いきなり余談ですが、ネコ科の動物という
のは背中をしならせて走ります。逆に馬など
は背中に人間が乗るくらいなので、ネコ科の
動物のような背中の使い方をしないことにな
ります。
もちろん地上で最も速く走る動物はネコ科
なので、四つ足ならネコ科の走り方が理想と
いうことです。
馬は大型動物で人間の言うことも聞くし、
ネコ科ほどのスピードはないものの、長距離
の移動に適しています。
でも、実は大レースに勝つほどのサラブレ
ッドだとネコのように背中をしならせて走る
のです。その振動は、騎手が怖がって落馬
の心配をするほどだそうです。
だから、競走馬の世界では背中が柔らか
い馬が才能のある馬だという見方もされて
います。
人間も元は四つ足。運動する時には背中
の使い方が鍵になるわけす。
四つ足の動物ならば前足を接地している
ので、前後左右の足が自然と背中起点にし
て動くわけですが、二本足の人間は背中の
動きが疎かになりがちです。
四つ足の動物も推進力は後ろ足の力で賄
っていますが、その後ろ足の力は、前足を
動かした時の背中のウェーブを後ろ足に伝
えることでより強化されているのです。だか
ら始めにネコの話を引用したわけです。
人間も同じこと。足だけの力に頼らずにサ
ッカーをするとどうなるのか。その姿がウェ
ーブリフティングとジンガです。
もう一つ別の話を引用すると、例えば人間
の反応速度は0.1秒を超えることがないとい
われていて、短距離走ではスタートの合図
から0.1秒以内に動くと全てフライングになり
ます。常人にできる反応速度の限界は、脳
が認識して身体の筋肉を動かすまでの時間
が0.3秒ほどで、通常はもっとかかるわけで
す。
つまり、足を動かそうと思っても、実際に足
が動くのは0.3秒以上後ということになりま
す。これがスポーツにリズム感が必要な理
由の一つというわけです。常に身体にウエー
ブを起こして足を自然に動かす準備をしてお
けば、実際にプレイに合わせて足を動かす
時には十分な力が生み出されているという
ことです。
ケンの著書、「リフティング&ジンガ バイブ
ル」のコラムではサッカー 選手だけではな
く、マイケル・ジョーダン、タイガー・ウッズ、イ
チローまでもがウェーブの使い手と指摘され
ていますが、こう考えると納得のいくところで
す。
前置きが長くなりましたが、プロスポーツ選
手ではない、今のところ一介のサッカー少年
であるMoちゃんの背中は見事に波打ってい
ます。足はウェーブの力が伝わっているので
自然に動き、意識はボールタッチのみです。
だからこそ柔らかいタッチが生み出せていま
す。
つまり、ビデオで見せる数々の足技は、足
の動きをだけを真似して、仮にそっくりにで
きたとしても、実戦の場でもスムーズに足技
を繰り出すことは出来ないでしょう。逆に自
然なウェーブが出来てさえいれば、ボールと
戯れているだけでひょんなことから新しい技
が次々に生まれていきます。Moちゃんがあ
れだけ多彩な足技を持っているのは、単に
教わった動きを反復して身につけただけで
はなく、練習や試合の中で自然に身体が動
いてしまったものも多く含まれていることでし
ょう。
お伝えしたいことは、ビデオの中のMoちゃ
んの足技を闇雲に全部コピーしようとするの
は遠回りだということです。まず自然なウェ
ーブを身につけ、そのウェーブを利かせなが
らMoちゃんの足技を一つづつ試してみると、
意外にほとんどの足技を短時間でコピーで
きてしまうのです。
だから、私はあえてこのビデオで紹介され
ている足技を一つ一つ取り上げて御託を並
べることはしません。全てはウェーブの習得
によって成せる業で、一つ一つの動きはバ
リエーションに過ぎず、また、これらの足技
はその全てではないからです。
ビデオの終盤には矢島親子の一対一が収
められていますが、先に紹介された足技を
超えたテクニックが次々に繰り出されていま
す。ウェーブを身につけ、ボールのコントロ
ールから開放されると身体が勝手に動き、
自分でも思いもよらないプレーが飛び出して
くるそうです。
矢島親子の一対一は、そういったクリエイ
ティブな動きを生み出すベースなのかもしれ
ません。
ウェーブ習得への道は決して平坦な短い
道ではなく、Moちゃんの領域は遠いです。そ
れでも注目して欲しいのが、人を抜き去ると
いうことは、テクニックよりも勝負に勝つとい
うことです。
確かにMoちゃんの足技はスムーズでスピ
ードがあり、毎日のように手合わせしている
矢島さんには、それぞれの動きが読めてい
ても突破されてしまっています。ただし、Mo
ちゃんが突破できているのは、足を出されて
も両足で押し返したり、身体が並ぶ瞬間に
膝を畳んでねじ込んだり、肩や肘を強引に
分け入れたりしているからです。お行儀が良
くては必死に守るDFを出し抜けません。
このビデオに納められている華麗な足技
に目を奪われがちですが、テクニックだけで
は成立しない、勝負に勝つ身体の使い方に
も是非注目していただきたいと思います。
(モーゼさん) |
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東京のUさんから頂いたメールの一部
こんばんわ。東京都の公式戦参加チーム
は620チーム(確かそのくらいだったと思いま
す)で、現在小6のプレーヤーは延べ3万人
程度だそうです。
その中でも、個人の技術の育成に力を入れ
ているチームは、片手で数えられる程度だと
思います。
都大会の上位に上がってくるチームでも、
勝つために、組織プレーに終始するチーム
が多いような感じです。
又、どのチームも練習場所を確保すること
が大変で、練習試合やカップ戦を組んで、実
践練習を主体に活動しているようです。
強豪でないチームはパパさんコーチが指導
にあたっていたり、資格のあるコーチがいて
も、数が少なかったりで、きめ細かな指導が
できているかどうかは疑問です。
ただ、個人的には、雑誌や指導書等の情報
がたくさんあるので(ネット掲示板もかな・・・)、
それなりに関心は高いと思います。
ですから、うちの息子のように、チームの練
習日程のない曜日に、F東、ヴェルディー、
クーバーコーチング等のスキルアップのため
のスクールに通って、個人的に技術の向上
を図る人がたくさんいます。
ちなみに、息子はとある超有名なサッカー
スクール(サッカーをしている人ならば、知ら
ない人はいないと思います。)に通っています
が、そこのコーチもmoちゃんビデオを見てい
るそうです。
息子のチームはNPO法人で、学校のグラン
ド等を優先的に確保できることと、十名程度
いるコーチのほとんどが資格をもっています。
特に現在6年生担当のコーチの指導が素
晴らしく、現在所属している19名の親たち全
員が、その指導力の高さにほれ込んで、あ
ちこちから集まってきました。
基本的に「ボールをもって前を向いたら勝
負」「積極的にプレーした結果の失敗は黙認」
「試合のハーフタイム、終了後には自分が
あれこれ言う前に、子供たちだけで話をさせ、
それをじっと聞いてアドバイスをする」
そして、何よりも「個々の選手のプレーを
実に細やかに観察している」のです。
例えば「左足がだいぶ上手に使えるように
なってきたけど、ドリブルするときのタッチを
もう少しやわらかくするように」と言った感じ
の指導をするのです。
このぐらいのレベルで個人の育成をしてい
るチームは、今度お世話になる練馬FCとう
ちの2チームしか知りません。
ところで、スピードサッカーの限界につい
てですが・・・・。
実は、僕は高校卒業まで静岡県の三島
市という所に住んでいましたので、一応は
「サッカー王国」の住人でした。
一応と言うのは東京へ出てきて2〜3年後
までそのことを知らなかったので・・・。
僕は、中学からサッカーをはじめ、初め
て「こいつは巧い」と感じた同級生のエース
ストライカーが、どちらかというと肥満に近
いポッチャリ体型で、スピードも無く、持久
力も無い選手だったのですが、まさに「ボール
と足がゴムひもで結ばれているのでは?」と
思えるようなコントロールで、取られないしス
イスイ敵をかわしていくし、凄かったのです。
だから「足が速い」事も大切な要素のひと
つだとは思いますが、決してそれがすべて
を凌駕するとは思っていないのです。
現実に、最近ではワールドカップヨーロッ
パ予選で崖っぷち状態のフランスを、体力・
スピードの落ちたジダンが救ったり、トヨタカ
ップの時シドニーのヨーク、カズが見せてく
れた活躍が、そのことを証明しているよう
に感じます。
息子も「マックス」状態のドリブルは、どこで
も凄いと言われますが、試合ではめったに
使いません。早くなくても「抜ける」事を知っ
ているので。
なので、「たまには高速ドリブル見せてよ」と
時々せがむのですが、「今度ね」とあしらわれ
ています。
ちなみに、今日も朝から4回ほどビデオを
見て、その都度「さっかーしてき〜す」と言っ
て出てゆきます。色々チェックしているようです。
本当にありがとうございます。それではまた。
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