リフティング王 土屋 健二 


NABO 「サッカーのトレセンコーチ」はそこを見ている!

はじめまして・・・サッカー トレセンコーチのNABOです。
 (はじめて訪問する方はこのページから読んでね。二度目以降はこのすぐ下からね)

 

はじめまして・・・NABOです。
 
  少年サッカーチームの現役コーチです。 
 地区のトレセン(トレーニングセンターの略です。)のコーチも担当しています。 
 サッカーが大好きです。サッカーを愛する少年が大好きです。 サッカー少年・少女と、サポートするお父さん、お母さんとコーチを尊敬します。 
 私には男の子が2人います。上の子はもう、高校生になりました。 サッカー少年を持つ親の立場、保護者や保護者会の立場も経験しています。 
 そして、コーチ、チーム運営、トレセン活動など、少年サッカーに関わる活動に携わっています。 この7年間は、年に120日以上グランドに立つ生活を続けています。現場に立てなければサッカーコーチではない!がモットーです。
  なんて、実は、子供たちから毎回パワーをもらっているんですよ。だから続けていられるんですね。 
 はじめは私も「お父さんコーチ」でした。 小学生から草サッカーを始めて、中学、高校、大学、社会人とサッカーを楽しんできましたが、サッカーをするプレーヤーと指導するコーチは180度別世界であることを知るのに時間がかかりましたね。 
 JFA 日本サッカー協会では、公認ライセンス制度を設けています。
 少年サッカーであればD級ライセンス所有者がチームに1名いないと公式戦に出場することができません。 私はD級を取得し、その後、その上のライセンスであるC級ライセンスを取得しました。 その他、キッズリーダーU6(幼稚園)、U8(小学2年生以下)、U10(小学4年生以下)の資格も取得しました。
  このように、「サッカー指導」について勉強していくと、プレーする事と指導する事の違いに気が付きはじめました。
  「お父さんコーチ」時代には、「何で出来ないんだろう?」と不思議に思っていた事が、「出来なくて当然なんだ」と思うようになりました。
  そして、「出来るようになるためにはどうすればいいか?」 これについて、考えて、指導して、分析して、また考えて、指導して・・を繰り返してきました。 
                               少年サッカーコーチ NABO


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no21 少年たちのたくましさとマインドは親が影響するということ
     2009,8,13

                

  先日、第33回全日本少年サッカー大会が閉会しました。優勝は名古屋グランパスU12でした。前回大会で準優勝で涙を飲んだだけあって今年のチームの出来は素晴らしいものでした。 
 1次ラウンドをJビレッジに出かけて観戦してきました。
 少年サッカーも毎年トレンドがあります。 以前は4バックでスイーパーを置いたチームもありましたが、最近はそのようなチームは見なくなりました。4バックでもセンターが2枚で両サイドの選手は積極的に攻め上がります。
 Jリーグや代表チームの戦い方の縮小版のようなものです。 各都道府県の代表ですから、実力があるチームばかりです。出場する選手はみんな上手です。 

      

 上手ですが、勝ち負けがあると言う事はさらに上手な選手がいるという事になります。小学生ですから、上手とは言ってもミスをします。ミスの少ないチームは失点も少なく、攻撃をしている時間も長いので結果として得点します。
 Jリーグの下部チームのうち、4チームが決勝トーナメントに出場しました。グランパス、フロンターレ、コンサドーレ、アルディージャです。グランパスとフロンターレとアルディージャは同じ山に入っていたのでつぶし合いになってしまいました。コンサドーレも3位に入った横河武蔵(東京代表)に負けてしまいました。

      

 Jリーグの下部チームが強いのは、セレクションを行い、さらにプロコーチの指導を受けるとともに、下部からトップチームを狙うという強いモチベーションががあるので、彼らが将来の日本代表メンバーにある程度入ることになります。
 事実、全日本少年サッカー大会決勝大会経験のある代表選手もいます。 
 小学生であれぐらいできるのだから、中学生になったらさらに上手に強くなるだろう。

 たいていはそう思います。しかし、そう行かないのが育成年代のサッカーの難しさです。 
 中学のサッカーつまりジュニアユース、高校サッカーつまりユースという各カテゴリーにおいて、伸びる選手、伸びが止まる選手が現れてくるわけです。 
 また、全日本の都道府県大会で惜敗したチームの選手の中でも、中学生になったら急に伸びた、つまり化けるという表現や大化けするという表現をつかいますが、どの年代で伸びるかわかりません。 

      

 勝ち負けにこだわるあまり、目先の勝敗にこだわるあまり、子供たちのサッカーはまだ始まったばかりという事に気付かず、高校生のユース年代での完成を目指してトレーニングするモチベーションを維持できない結果、サッカーが嫌いになり止めてしまってはノーチャンスです。 
 いつ伸びるんだろう。サッカー少年の親も子育ても初めてなら、サッカー少年少女を持つ事も初めてです。どう接していけばよいのか悩むところです。 

      

 マインドの持ち方で将来が決まるといってもよいと言えます。
 サッカーを楽しいと感じたり苦痛に感じたりするのは結局は本人の心です
 心の持ち方がしっかりしていれば、メンバーを外されたり、試合で大ミスをしても、腐らず、めげずに立ち上がるでしょう。 
 そこを支えるのは少年期においては、親やコーチの存在が大きいものです。子供が自立する環境を作る。親は手を出したい気持ちを抑えなければなりません。いつも子供に手を貸していては、自立できるはずはありません。また、ミスを激しく責めることも、子供によい影響があるとは言えません。 

      

 親は子供をサポートしてあげること。
 移動や物品の購入など、子供が練習や試合ができる環境をサポートする事に徹する事が基本と考えます。 子供たちもなかなか上達しない時、スタメンに入れない時はじっと我慢しているのです。そういう時は、親もガマンです。
 「頑張りが足らない」という言葉はキツイものがあります。子供が自立する環境を作ること。これは1日できるものではありません。今はちょうど夏休みですね。子供たちが自分で考え、判断し、行動するという事はピッチの中だけで育まれるものではありません。家庭の生活、社会の中でも見につけることができます。

      

 かわいい子には旅をさせよ。とは、苦労をさせたり、ミスを経験させる事と考えます。先回りして、子供がぶつかるべき壁や苦労を取り除いたり、ミスさせないようにする事で子供たちは、乗り越えるたくましい心を持つ経験を失います。 
 マインドの持ち方が小学生たちの今後にかかっている。そこに親の存在あり、です。


                                 少年サッカーコーチ NABO


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no19   6年も前のビデオで土屋兄弟が語っていた事と同じことをテレビ解説では風間氏が語っています。
 2009.5.17
 
                            

■世界を目指すために必要なフィジカルとは 

 土屋健二氏はボールリフティングで世界的に有名ですが、実は土屋さんを近くで見ると、そのマッチョぶりに驚くと思います。 でも細マッチョでもゴリマッチョでもなく、サッカーマッチョと言えばよいのでしょうか。 

 武道の世界では「技は力の中にあり」という言葉があります。華麗な技を持っていても、パワーが伴わないと相手を倒すことができないという意味です。
  土屋さんは、1対1を重視しています。リフティングやフェイントの本を多数出版しています。
 技のひとつひとつにある基準をもっています。それは、相手をかわすという事です。 


 土屋さんのリフティングショーをご覧になった方も大勢いると思いますが、姿勢を低くしたり、立ったり、うつぶせになったりしながらもボールコントロールが乱れません。
  それは、今になって流行している「体幹トレーニング」のおかげなのです。私のブログやメルマガでも越智隼人氏のトレーニングDVDを紹介していますが、この3枚目には体幹トレーニングがぎっしり入っています。 

                  

 土屋健二氏は、体幹トレーニングという言葉やコアトレーニングやインナーマッスルという言葉が流行するまえから、このようなトレーニングを欠かしていなかったそうです。 

 スクワットや腕立て伏せや腹筋というベーシックなものですが、これを数百回毎日こなすという土屋氏ですが、脚や腕の筋肉をつけることが目的でなく、体幹がぶれないような身体を維持することが目的なのでしょう。

 詳しくは企業秘密なので、新婚の土屋さんに直接聞いてみてください。じゃましないようにね(笑)

                   

  日本サッカー協会でも、数年前から「体幹」「コア」のトレーニングをナショルトレセンで導入しはじめました。

 それまでは、ボールコントロールやアジリティ(ステップワーク)だけだったのですが、日本代表の高校生レベルが海外でフィジカルが全く通用しない事に危機感を感じたのでしょう。 

 現在は、小学生にも体幹トレーニングを推奨しています。小学生や中学生は発育段階だから筋肉トレーニングをすると背が伸びなくなるのでは?そう心配される方もいると思います。 小中学生で、ウエイトを使ったトレーニングは避けるべきです。つまり、鉄アレイやダンベルやバーベルのように、自分の体の重さ以外のモノを使ったトレーニングは関節や間接周辺の筋肉が発達していない小中学生には向きません。 

 しかし、自分の体重を利用するトレーニングは全身運動であればどんどんするべきでしないと発育発達面ではマイナスになると考えます。 筋肉は使わないと発育しません。まんべんなく使うことで発育していきます。逆上がりができますか。上り棒がてっぺんまで登れますか。腕の力でなく、全身運動です。これはサッカーも一緒ですよ。


 サッカーも足だけを鍛えればよいのではありません。 リフティングやドリブル、パス、フェイントが身についてきたなあとおもったら、体幹のトレーニングをするとステップアップする事ができます。さらに、試合で通用するようになります。1対1で負けなくなります。

                   

  日本代表の平均身長はどれくらいでしょうか。日本人は背が小さいと言われますが、メキシコ代表ややアルゼンチン代表よりも高いのです。(GKも含めて) しかし、平均体重はメキシコやアルゼンチンに負けています。

 これは細マッチョが多いという結果になりますが、サッカーという格闘技の要素が高いスポーツでは体重があってスピードがあった方が有利です。 意外に思われた方もいるのではないでしょうか。
 日本サッカー協会ではこれをフィジカルトレーニングと栄養面で強化していこうと考えているようですが、20歳以上のA代表を目指すような年代からうわべのフィジカルをつけるのではなく、小中学生から芯となる体幹を鍛えていくことが将来へつながると思います。 

 土屋健二氏が世界を渡り歩いても、小さな体で通用してきたのは「技とフィジカル」の融合という先見の明があったからではないでしょうか。

  あらためて、土屋健二氏の先進性を知るとともに、数ある著書やビデオ、DVDを繰り返して見る日々です。6年も前のビデオで土屋兄弟が語っていた事と同じことをテレビ解説では風間氏が語っています。

 サッカーには教科書にない理論や言葉で表せないものが多くあります。これからも土屋健二氏の動きと日本サッカーの動きから目が離せません。 





  ご意見は私の管理ブログ http://jr-soccer-coaching.naotech.info/    
                     
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no17 トレセン選抜選手を見て感じること・・・。
 2009.3.14

 トレセン選抜選手を見て感じること・・・。

 先日、県のトレセン選抜選手の初練習会がありました。小学生のU10クラスですが、4月からU11つまり5年生になります。
 5年生といえば、4月から始まる全日本少年サッカー大会でもベンチ入りやスタメンに入る子もいますので、少年サッカーとしてはU10のこの時期はチーム戦術を意識できるようになる必要があります。
  練習会で気になった事がいくつかありますが、私の地域や子供たちだけの特徴かもしれません。しかし、不偏性のある事なので参考までに書いてみます。

                   

  (1)こんにちは!さようなら!

 練習に現れた瞬間から「こんにちは!」と子供たちから発するような挨拶が欲しいですね。
 これはどこのトレセン、どの社会でも当たり前の事ですが「あいさつ」は大切です。精神論を言っているのではなく、行儀の事を言っているのではなく、集団活動をするために挨拶から始まって挨拶で終わるという事は当たり前です。
 挨拶はコミュニケーションのひとつであり、元気な挨拶ができると「コミュニケーションツール」の使い方がうまいという印象を持ちます。
 トレセンだけでなく、チーム活動でも徹底されていますか。プレーに関係ないと思っておろそかにしていませんか。
 うちの子はおとなしいから・・・という理由は理由になりません。

                  

 (2)もっと活発にやれるはず

 トレセンで選抜された仲間が集まる場面ですから、緊張するなという事も無理でしょう。
 しかし、大人しくしていたら損をします。
 活発に発言し、活発に行動し、活発にプレーする。
 ミスを恐れていませんか。間違った事を言って恥ずかしい思いをしたくないとおもっていませんか。
 サッカーをする仲間の前でミスする事はお互い様です。恥ずかしい思いをしたくないという気持ちもお互い様です。
 サッカーをしに来ているのだから、集合から解散まで、活発に行動して欲しいと思います。うまければいいという考え方は70パーセントです。後の30%以上は活発さが必要です。

 チームでも同じような事が見受けられます。ミーティングで発言する子がいつも同じ選手ではありませんか。ミーティングで並ぶ時に前にでてくる子と後ろの方にいる子はいつも同じではありませんか。
 身長の差で前に出られないのならば、コーチは子供たちを座らせるべきです。

 発言しない子に発言するように仕向けるべきです。活発さはプレーだけでなく、オフザピッチでも表現できるようになると、オンザピッチでのプレーが活きてくると思いますよ。 

                  
 
 (3)サッカーをしていますか

 サッカーをする事とボールを蹴る事は実は違うのです。
 最近は、フリースタイラーというジャンルが派生してきて、サッカーボールを使ってリフティングやパフォーマンスの技術を競う人々が多くなってきています。
 フリースタイラーの敵は、お客さんの期待や高度な技術の壁ですね。練習する量も半端でないです。一日に6時間ぐらいは練習しています。ひとつの技を身につけるのに何日もかかることもあるそうです。人に見せる技術ですから、それはそれでよいでしょう。ボールフィーリングを究めるという事も私が勧める「めざせファンタジスタ」では重要視しています。 

 土屋健二さんもリフティングを日本中に広めている1人ですが、彼は持論があります。 「サッカーの試合に使えるリフティングのテクニックにこだわっているんですよ」もう5年も前からそのような事を口にしていました。

 逆立ちして足の裏でボールを扱う事は素晴らしい技術ですが、サッカーに使えるスキルとは遠い位置にあるでしょう。土屋健二さんはやれるけどやらないテクもあるし、見せないテクもあるといっています。根っからのプレーヤーなんですね。 この記事を読んでいる多くの方々はお子さんにフリースタイラーになって欲しいと思っている人よりも、「サッカーが上手くなって欲しい」「試合で活躍してほしい」「試合に出て、勝ってほしい」と思っている人が多いのではないでしょうか。

 リフティングは大切ですが、サッカーをするためのひとつの方法だと思っています。サッカーをするという事をシンプルに考えてください。ゴールを奪う、ゴールを奪われない、ボールを奪う、ボールを奪われない。つまり、ボールとゴールの奪い合いです。ゴールすれば勝ち、ゴールされれば負けなのです。

  リフティングの上手な子がいます。しかし、ゲームになるとボールへの執着心とゴールへの意欲が少し薄いなあと感じています。このような子は、ボール扱いは上手ですが、サッカーをしていないのです。リフティング練習を毎日何時間もしているでしょう。それは、誰にも負けたくないという気持ちが底にあることはわかります。その負けず嫌いの気持ちを、プレーに出して欲しいのです。

                    
  
 (4)攻撃的になると守備がうまくなる。

 少年サッカーでは、攻撃を中心にスキルやグループ戦術を身につけて欲しいと思います。デフェンスを組織的に行うことは、ルールを身につける事や仲間どうしの統一した意識が必要なので、ある程度サッカーというゲームに慣れて、スキルを伴わないと難しいと考えます。
 守備練習が無駄だという事ではなく、組織つまり、チームとしての守備練習をするならば、攻撃練習に時間を割くべきだという考え方です。攻撃の1対1の場面があったとします。
 試合中のいつまでも1対1のまま数秒経ってしまう事はありえません。攻撃側が関わるか、守備側が関わるか、数的優位を作ろうと周りが動きます。
 ここで大切な事は、攻撃に人数をかけるという意識を持って欲しいという事です。
ボールがあって、横でサポートするだけでは攻撃的とは言えません。

 ボールを追い越す選手、サポートを追い越す選手、つまり、ボールと相手ゴールの間に攻撃する人が入りこむことが「攻撃」なのです。ミスするかもしれません。ミスしたら戻ることをすればいいだけです。このようなゲームをチーム内で行っていれば、守備に切り替わった瞬間に「戻る」事をしなければ、ゴールを奪われてしまいます。

  攻撃的になることは、攻撃に人数をかけて動くことであり、そのような攻撃に対応するためには数的に足りなくならないように、守備も動くようになります。
  これは個人技術でもそうです。攻撃スキルを身につけることで、守備を強化する必要が生まれ、守備が強くなると、それを破ろうとして攻撃が強化される。
  チームのトレーニング計画の中でも、これを繰り返していくことで、攻守の強化ができると思います。

                 

 (5)そのプレーは何のため

 ドリブルが得意な子の選択肢はドリブル優先です。
 ロングキックが得意な子は、ボールを受けたらスペースに出して長いパスを出そうとするでしょう。
 得意なスキルを持つことは大切です。

 でも、5年生になろうという時期では、ドリブルのためのドリブル、パスのためのパスではなく、シュートにつながるプレーを意識してプレーを選択してほしいと考えます。

 選抜チームでもチームでも「技の披露会」ではないので、ゲームに勝つためにはシュートを打たなくてはなりません。シュートを打つためには、今、自分はどのようなプレーをしなければならないのかを判断することが、攻撃での優先順位を判断するという事です。

 ボールを前に運ばなければシュートが出来ない仕組みになっています。縦にボールを放り込めば、相手にボールを渡すことになるか、撥ね返されてしまい、攻撃につながらないことは選手たちもわかっています。横パスだけをつないだり、空いているスペースに展開するだけのポゼッションを繰り返していても、相手ゴールに近づくことはできません。

 ゴールの正面近くの確率の高い場所でシュートを打つためにはボールをどこへ運び、人がどこへ走らなければならないか。
 教えることも必要ですが、ゴールを奪うという答えがわかっているのですから、掛け算でも足し算でもよいので、方法を考えてほしいと思います。
 考える力がプレーの選択肢を広げていきます。



no16 デュソー氏のインタビューその2
 2009.2.28 

デュソー氏のインタビューその2 


 前回は、ドリブルのためのドリブルであってはいけない。という話をしました。しかし、ドリブラーにはドリブルさせようとも話ました。
 それは、ドリブルの質が違うからです。突破を意識したドリブルは、相手エンドで、ゴールへつながる動きをイメージしています。ドリブルのためのドリブルは戦術的な意識がなく、とりあえずポゼッション状態です。
 
 フリーの味方を作る、スペースを作るという意図が感じられればそれば戦術的なイメージがある訳ですが、3回、4回と切り返すドリブルは実戦にはあり得ません。ペナルティエリアのサイドで切り返しているうちに、あっと言う間に囲まれてしまうのが現代のサッカーです。 

                   

 今回は「組み立て」という事について書きますね。

 日本代表のゲームを見ていても、デフェンスラインで横パスを回し、タイミングを見てボランチに当てたり、サイドに縦パスを送ったりという攻撃パターンがありますね。
 ゲームを組み立てようとしている様子です。

  子供たちも同じような事はできます。
 デフェンスラインでボールを回すことはできます。自軍内でのパス回しは比較的容易に回すことができます。 
 
 組み立てを意識できているかどうか、このパス回しの様子を見ると判断することができます。 
 サッカーの本質は、相手ゴールにボールを入れることですから、ボールを縦に運ばなければなりません。自軍エンドでボールを回すことは、相手に取られにくいので、サッカーをしてるようですが、本当にそうなの?という事もあります。 
 
 縦にボールを入れると相手ボールに取られる、突破の手段が無い、ドリブルで切り込むスキルが無い、奪われたくない。だから、自軍でボールを回す。 

                     

 つまりデュソー氏は「簡単な事を選択するな」という事を言っています。 
 このように、簡単な事を選択すると次のような現象が起こります。 

「前を見る事をしないようになることです。」

 遠くを探そうという意識で前を見ないと3本も4本もデフェンスでボールを回すようになってしまうという事です。

  さらに、デュソー氏は次のような事も言っています。
ちょっと難しい表現ですが、一緒に考えてみましょう。 

 「中盤がFWに早くくっつきすぎるという事です。 」

 どういう事でしょうか。たとえば4バックだとしますね。その前には6人のフィールドプレーヤーがいるわけです。
 相手からボールを奪って攻撃に切り替えた瞬間に、その6人が横に一列に並んでしまうという事です。 
 よく、高さと幅とか、厚みと幅を作って攻撃しようといいますが、デュソー氏はその中盤を作ることと言っています。 

 厚み、つまり、選手が真横に並んでしまうと、ラインの前後に無駄なスペースができてしまいます。 

                   

 デュソー氏の講習会に出た時の事を思い出しましたが、選手が真横に並ぶ状態を鋭く指摘します。
 
 「ありえない!」と通訳の方が指摘します。

  中盤を使ってバランスよく組み立てていくためには、前後の関係のポジショニングが必要という事です。スペースがありすぎるということは、ポジショニングのバランスが悪いという事になります。 


 さらに4つ目の指摘として、
 「デフェンスがボール回しをした後、縦にパスを入れた時に、その後のプレーが見られないという事です。」

 つまり、パスして終わり、あとはカウンターに備えるというイメージです。 
 パスしたら、スピードアップしてボールに関わっていくとか、相手を引きつけるようなスペースへの走り込みとか、デフェンスであってもクリエイティブな動きが必要であるという事です。

                 

  インタビュアーの布氏は次のように分析しています。 

 フォワードが流れて、真ん中が空くとMFはトップに並ぶように入ってしまうことがある。また、ボランチもデフェンスラインに吸い込まれてしまう。 

 私も同様に感じています。ジュニア、ジュニアユースのサッカーを見ていると、中盤省略の攻守が見られます。
 つまり、ボールを持った選手からのパスが欲しい気持ちから横についてしまい、結果として並んでしまうと言う事です。
 デフェンスも同様で、守備的はMFの選手が相手ボールになった瞬間にセンターバックと並んでしまうつまり、引いてしまうという事が見られます。

 MFとはFWの一員でもないし、DFの一員でもない、MFなのだと考えています。 

                

 では、どのような事を意識してサッカーをすればよいのでしょうか。 
 360度から来るプレッシャーの中で、起点となるプレーをするためにはテクニック、個人戦術、状況の理解が必要になってきます。 

 デュソー氏は日本人はボール扱いがうまいが、フットボールをしていないという指摘をしています。 
 「具体的には、ポジション毎の分業になっているという事です。」

 三列の分業と言う事ですね。
 FW,MF,DFの分業が見られるという事です。
  デフェンスが攻撃に関わっていく、FWが前線で守備をする、全員で攻守かかわっていく事がフットボールだという事を言いたいようです。 

                  

 ボランチというポジションについて、デュソー氏のコメントは次の通りです。

 「日本のボランチはボールを奪えていない。フランスではボランチをボールを奪う人と呼んでいる」 このコメントを聞いて、ハッと思った方も多いのではないでしょうか。 

 例えば中田英選手がボランチをしていた日本では、かじ取り役がボランチのイメージでした。
 現在の小学生や中学生にどこのポジションやりたい?と聞くと、足に自信のある子はほとんどがボランチかトップ下と言いますね。 
 日本では、ボランチというと攻撃的なイメージがありますが、世界では「ボールを奪う人」なのですね。 
 FC東京の今野選手などは、ボランチに起用されると「ボールを奪う人」になっています。本人は、ピルロのようなプレーがしたいと言っていた事もありましたが、ボールを奪う、カバーに入る能力は素晴らしいものがあります。渋く目立っていますね。 

 このコラムは「育成」つまり、代表チームの分析を行うものではないので、今、ジュニアやジュニアユースでは、どのような事を意識してトレーニングやゲームをしていかなければならないか、について書いています。 

                   

 デュソー氏は子供たちの年代には、どんどん高い位置からボールを奪いに行かせるべきだ、と言っています。
 でも、中学3年生までの子供達は守備があまり好きでなく、攻撃を好む傾向があります。ゴールを守る意識も高いとは言えません。
  
 高校生つまり16歳になってから守備を組織的に行うための指導が必要になると言っています。 
 育成年代に必要な提言は次の通りです。
  「子どもたちにフットボールをさせる」 全員攻撃、全員守備だけれども、半分は守備をしなければいけない。
 アカデミーの選手たちは、Jの下部チームと攻め合って5-6で負けた試合を振り返り、何がよいプレーかという事をしらなければならないと言っています。 
 
 「まずボールを奪いたい、攻撃できる時は攻撃する。攻撃を準備する。早く行ける時は早くする。それがフットボールだ。」
  デュソー氏の言葉です。 

                    

 優先順位は、楽しくフットボールをする事。
 よいプレーとは何かを知ること。よいプレーとは「勝ちたいプレー」と思う事。
簡単にタッチラインを割らない、意図のないロングキックをしない、なども強調しています。 
 15歳までは攻撃、16歳からハードに当たりに行かせるという事でよいのではないか、と言っています。 

 私は、ここで考えました。少なくとも私が生で見ている育成段階のサッカーは、結果を求めるあまり、分業は見られるし、ポジションの固定化も見られます。
 
 アカデミーでの考え方をわれわれ指導者達はどのように解釈して、現場に反映させるべきなのか。 
 子供たちがすくなくとも18歳である程度完成されたフットボーラーになるためには、各年代で身につけるべき課題があるとともに、フットボールの本質を小さいうちから意識していくことが必要であることは言うまでもないと考えます。 

                     

 アカデミーでは「持久力の向上」にも積極的に取り組んでいます。現代サッカー、少年サッカーもそうですが、連続した攻守、ハードワークのためには「持久力」が必要です。 

 持久力をつけるというと、素走りをイメージしますが、ボールを使って持久力を上げる工夫をしています。
 素走りの方が効率がよいことをデュソー氏は認めつつも、ボールを使って持久力を上げることにこだわっています。 

 インタビューにはありませんが、ここで、指導者に対しても「簡単な選択をしない事」を示唆しているような感覚を受けました。
 
 ボールを使って心拍数を落とさないメニューやオーガナイズを考えることは、難しいです。
 トレーニングの運営も難しいものがあります。グラウンドをぐるぐる走らせてタイムを図る事は簡単です。効果もあるでしょう。 

 どうでしょうか、育成に関わる立場のコメントを聞いて、我が子や我がチームの選手たちの事を考えると何をすべきか。

 デュソー氏の言う通りにすべきという事ではありません。
 デュソー氏の言葉を受けて、どういうサッカーをしていくか、指導していくか、自分は何を伝えるべきか、という事です。 

 デュソー氏は子供たちを育成してプロに送る仕事のプロです。
 このような指導者が海外にはたくさんいます。 
 プロを目指す、サッカーが上達したいという事はどんなことなのか。
一緒に考えていきましょう。   

次回のテクニカルニュース30号にも連載が予定されています。




no15 JFAテクニカルニュース29号よりデュソー氏のインタビュー
 2008.2.6

 〜概要〜
 クロード・デュソー氏に、布啓一郎技術委員会副委員長がインタビューした記ことが掲載されています。3年間にわたりJFAアカデミーを指導したデュソー氏は日本サッカーと育成についてどのように見ていたのかまとめています。テクニカルニュースを購読されていない方に、要約してお伝えします。 

                     

 ●日本には良い選手がいる デュソー氏はこう言っています。
 ただし、良い選手が少ないとも言っています。それは、良い指導者がまだまだ少ないからとも言っています。デュソー氏がエリートプログラムとして育成した少年達が、現在のU16日本代表に5,6人いることから判断しても、良い選手を良い指導者が指導することにより良い選手が育っていくという確信の持っているようです。 

 インタビュアーの布氏が「良い選手とはどういう選手か」と具体的に聞くとデュソー氏はこう答えました。
 「ダイナミックさ」「俊敏性」「柔軟性」「長い時間走ることができるということ」「クオリティ」 これを読んで私が常日頃考えていることに気がつきました。
 
 それは「ダイナミックさ」という点です。トレセンを指導していると、ダイナミックな選手は目立ちます。ダイナミックなプレーをする子は、テクニックを吸収し、活動量も多く、結果としてサッカー選手として伸びます。
 ダイナミックにプレーすることが日本人のポジティブな面であるとデュソー氏がとらえていることから、ダイナミックなプレーを引き出すことが我々コーチの役割のひとつではないか、とも考えています。

                     

 ●フランスの子供たちはもっと走っている 日本とフランスの子供たちのトレーニングとプレーを比較すると、日本人はまだまだ走る必要があるとデュソー氏は言っています。 
 日本人も高校生のサッカーでは走る量がアップして、世界レベルに追いつく程だそうですが、中学以下のレベルで走ることを強化していれば、高校レベルでは世界を追い超す事も不可能ではないという事です。
 小学生高学年から、もっと走れるようにトレーニングしておくことで、成人したときのレベルがさらに高くなるという「底上げ効果」が期待できるし、日本人はそれをすべきということです。 
 オシム氏が、日本人はまだまだ走る量が足りないと言っていることについても、肯定しており、さらに走ることと正確なプレーを高めていくべきと言っています。 

 ボールを使ったトレーニングでテクニックと持久力を同時に高めていくことが大切という事です。 私はこれを読んで、チームでのトレーニングを振り返りました。チームでのトレーニングではボール無しのランニングや走り込みをしません。

 持久力をつけるために走りこむことは、個人レベルですることであり、チームでの練習ではボールを使ったトレーニングで、持久力とテクニックを向上させるメニューを取り入れることが効率的と考えています。 
 デュソー氏が指導していた頃のJFAアカデミーでは、心拍数を落とさない工夫が随所にあります。中学生レベルでも一分間の心拍数を160台でキープするようなトレーニングを2時間近く続けることは、持久力向上だけでなく、高い心拍数の中でも正確なテクニックを発揮することを要求していると言えます。 

                    

 ●有効なテクニックとは何か日本とフランスの差が持久力と有効なテクニックの差ということがわかったけれど、有効なテクニックとはなにか。 

 デュソー氏はこう答えている。「ドリブルのためのドリブルにならない」「パスのためのパスにならない」 ドリブルは突破するため、シュートするためのもの、パスをするためのものである。

 日本の子供たちは、ドリブルをすることに満足してボールを失っているのではないか。そういう子は、ボールを失うドリブルをする子はレベルの高いサッカーに進むとさらにボールを失い続ける。デフェンスが組織化してくるとドリブルだけでは通用しない。 

 私はこのコメントを読んで、ドリブルが良くないのではなく、ドリブルしか選択肢がないことが良くないことであり、ドリブルのためのドリブルにならないこと言っていると理解しています。 

 さらにデュソー氏はこうも言っています。 ドリブラーはドリブルをすべきだし、日本人にはドリブルがあっている。
 練習方法に問題がある。ドリブルのうまい下手だけの練習ではなく、ドリブルのあとのプレーにつなげる練習をしなければ意味がないというものである。
 突破のドリブルであればシュートで終わること。 

 私もこの部分には共感します。ドリブルのためのドリブル練習だと、ゴール前で何度も切り返してシュートするなど実戦ではありえないことの練習になってしまい、まったくリアリティに欠ける。 
 小さいうちに、ドリブラーとしての素質を見つけたら、ドリブルをさせます。失敗も当然あります。しかし成功もあります。ただし、ドリブルを突破の道具に使う事を要求します。
 中盤でボールを持ちすぎてみたり、スピードアップする場面でドリブルをしてスローダウンするようなドリブルはマイナスです。 

  さらに、インタビューは続きますが、また来週のコラムで。 

no14 日本サッカー協会はこんな方向を考えている(講習会からのレポート)
 2009.1.28

  〜2015年はもうすぐそこだ! 〜

 2005年宣言はご存知でしょうか。
 http://www.jfa.or.jp/archive/jfa/2005/

 2015年には世界のベスト10に入るプロジェクトです。それはトップチームだけでなく、少年も、ユースも、指導者も、組織もすべてです。逆にトップチームだけがベスト10に入ったとしても後がつづかないでしょう。メキシコの銅メダルのように。 ワールドカップにはで続けることが必須です。
 そのためには、少年期からトップチームと同じ考え方のサッカーをする必要があることを、ドイツ、スペイン、フランスが教えています。 ドイツワーカップを控えたドイツ、ユーロ2008で優勝したスペイン、フランスワールドカップで優勝したフランスなどは、このような組織化の行動力により結果が出せた事は事実です。このような強化システムが、ドイツでは400弱、フランスでは600強あるというのです。 整理しますね。

                    

 (1)世界のサッカーに近づく努力をする。これは、アジアにおける立ち位置を作って、情報を仕入れるとともに発言力を高めていかないと、オーストラリアやカタールやUAEなどのようにタレントと資金力のある国に対して不利になるというものです。 
 
 ケンがドイツで本を出版しています。このサイトは、ヨーロッパに近いサイトと言えます。今、日本サッカー強化と指導者の強化に必要なのが情報です。
 
 アジアの情報、ヨーロッパの情報です。フランス、ドイツ、スペインがビッグタイトルを取っているのは国を上げて少年〜ユース世代の強化育成に取り組む行動力の成果です。 

 (2)トップチームだけの強化では足元をすくわれる。メキシコの銅メダル以降の低迷と、前回のワールドカップでの戦い方を振り返ると、トップチーム強化だけでは、連続してワールドカップに出場することは難しく、ユース年代、ジュニアユース、ジュニア年代の強化育成が大切であること。 事実、キッズプロジェクトとして小学生未満の子供たちのプロジェクトも進行しており、効果がでています。  

 (3)タイトルを取ることと育成することのバランス小学生は全日本少年サッカー大会でのタイトルを目指して大会が組まれていますね。
 現在は夏に本大会が行われています。秋以降は、エアポケット状態となってしまいます。 小学生の一年間は発育発達と技術戦術の上達が早く、春と冬では別人、別チームになることもあります。また、中学生に移行しやすくするためにも、この大会を12月に開催するという事が検討されています。 12月までは、全日本大会への参加権を得るため「リーグ戦」を導入することによりゲームを行ってチーム力の強化とタイトル戦への参加権を得る事を目指すという事が検討されています。

                   

  (4)11人制からの脱却11人制、3人審判による、大人サッカーを小さくしただけのサッカーでは、個が育たない、スキルの上達につながる部分が少ないというデータがあることから今後は8人制、1人審判による3クォーター制の導入により、以下の目的達成を図る。
  @全員がゲームに関わる環境づくり
 Aボックス(ペナルティエリア)からボックスへのスピーディーな攻防
 B技術レベルの判断と習得の明瞭化
 Cスペースと時間を奪いあうサッカーへの習熟などである。

 
  3年生以下は5人制などにより、攻守に全員が関わるゲームによりスキルアップを図っていくことも検討されている。 大会のための大会でなく、日本代表の強化には「個」の育成が最重要課題であり、個の育成のためにはゲームのあり方をどんどん変えていく。 ボールに触れる、かかわる場面を多くし、攻守の切り替えと運動量を上げていく。このような環境改革への具体的取組とともに指導者に求められることはサッカー先進国であるヨーロッパ諸国の情報を積極的に収集し、日本のサッカーに反映させていくこと。世界的には地理的不利ではあるが、越えなければならないハードルである。 

                   

 (5)16歳でほぼ完成させる国体は県どうしの戦いであるが、それは指導力や指導組織の戦いでもあり、16歳で成果を出すためには、15歳、13、14歳、12歳、11歳とカテゴリーごとの積み上げが必要であり、私たち4種のコーチは16歳の国体代表選手の土台に触れていることを意識しなければならない。
 12歳の少年の4年後はあっという間に来る。 このようなJFAのロードマップに対し、現場ではどのような活動を行っていけばよいか。 すべては、狭いスペース、速いスピードでのスキルアップのため。
 ボールに触れる回数、かかわる動きを多くしていく。
  このようなアクションプログラムが開始されている中で、子供たちのために何をしてやれるのか。 サッカーが上手になればいい。上手になって、試合で勝つ事が目的のはずです。試合で勝つためにトレーニングが必要です。そして試合で勝つのは、個人個人の力の結集の結果であるべきです。 
 指導者、保護者を含めた大人が頭を切り替えていく必要があるでしょう。 

 ブログやメルマガで情報を発信していきます。皆さんからの情報もお待ちしています。 

 
no13 高校サッカーの素晴らしい戦いを見た感想
2008.1.17

 第87回全国高校サッカー選手権、今年も感動を与えてくれました。 
 決勝の広島皆見と鹿児島城西の戦いは、実に見ごたえのあるものでした。一週間たった今でも、録画を繰り返し見ています。 
 城西の大迫勇と野村は中学から6年間ツートップを組み続けて、今大会では、10得点と記録を塗り替えました。 大迫勇のスキルは確かに高いですが、ボールを受けられなければ得点できません。野村との息の合ったプレーの成果が10得点という記録を生んだのでしょう。 

 中高を一貫してサッカーするという事は実は理想的な環境です。 トレセンは16歳までです。16歳といえば高校生ですが、中学と高校の6年間を一つのクラブで指導を受けられる環境はそう多くはありません。この年代は、プレユース世代として、大変重要です。 

 敗れはしましたが野洲高校の選手たちも、セゾンFCなどジュニアユースクラブ出身です。つまり、中高一貫したサッカーをしているという事です。 小さな町の公立高校が毎年全国大会に顔を出す事は並大抵の事ではありませんからね。選手は、メイドイン滋賀ですから。 

                    

 さて、優勝した皆見ですが、指導者としては藤井監督の指導が大変興味がありました。 35歳。監督2年目、指導歴7年目。メイドイン広島。選手たちのプレーを見ると、基本がしっかりしている事に驚かされます。 
 たとえば、いくつかボレーシュートのシーンがありました。相手でフェンスに阻まれましたが、コース、タイミングともぴったり合っています。 その他細かいプレーひとうひとつも「粗さ」がなく、きめ細かい技術指導のおかげと言えるでしょう。 

 また、戦術については、城西対前橋育英のゲーム分析がしっかり選手たちに浸透しているなあと思いました。 大迫勇に過剰なマークをするわけでもなく、かといってフリーにはさせない。
 堅守強攻をモットーとするだけあって、攻撃のためのデフェンスの意識が高かったですね。 中盤でボールを奪った後のスピードアップは、城西が戻る時間を与えませんでした。ひとりひとりの意識の高さと戦術理解の結果でしょう。  

 ユニークなのは9番金島選手です。2得点の活躍でしたが、センター試験を受けて弁護士になりたいとの事。ぜひ実現させてほしいものです。 サッカー選手としてのひとつの選択ですね。 
  トレセンで選ばれた選手は「プロ」になりたいと口をそろえて言います。でも、プロになれるのはほんの一握りです。 多感な高校時代を経て、社会人になってもサッカーを続けているプレーヤーは他にもいます。 社会人リーグです。彼らは高校時代にサッカーをやり、大学受験を経験し、卒業して企業に就職して、サッカーを続けています。 
 
                     
 
 先日、プロを引退した名波選手は磐田での指導を希望しているようですが、日本代表として時代を築いた名波選手の指導者としての手腕に期待しています。 では、その他多数の現役を引退した多数のJリーガーはどんな進路をたどっているのでしょうか。  
 プロになればそれで目的を果たしたという事にはならないでしょう。サッカーさえ出来れば、勉強ができなくてもいいという理由にはなりません。 中田(英)も、韮崎では優等生でした。現在も知的な活動を続けています。 

 サッカーの練習に時間を割くことが悪いわけではないのです。サッカーしか知らない事が「損」という事です。 
 小学校から高校の多感な世代には、教養とか情操という刺激もたくさん受けてほしいと考えています。 トレセンの場は、選抜の場でもありますが、人格形成の場でもあります。 よい意味で「大人になる」事で、サッカーも青春も充実したものになるでしょう。

  以上が、高校サッカーの素晴らしい戦いを見た感想です。 あきらめるな、続けよう、夢を持て。
 すべて、自分から! 


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no12 NABOさん的サッカー未来予想図
   2009.1.5


 新年明けましておめでとうございます。
今年もこのコラムをよろしくお願いしますね。 

                    

 今年は元旦から、ガンバ大阪の素晴らしいサッカーに酔いしれました。 
日本のサッカーは、このガンバサッカーを目指すべきではないかという感じさえしました。ガンバはデフェンスラインに少々ウィークポイントがありますが、中盤からトップにかけては、攻め急がず、ポゼッションから中央突破の縦パスを狙うという事を何度も繰り返しました。 

 このポゼッションサッカーは、100%パスが成功するわけではないので、ボールを奪われればデフェンスに回ってボールを取り戻さなくてはなりません。 ガンバはこの「ボールを奪う」事を相手エンドで行っていました。さらに、カウンターのピンチにはハーフの遠藤がきっちり戻ってラストパスをカットする場面もありました。 

 ポゼッションの技術だけでなく、ポゼッションを支える運動量はさすがクラブワールドカップ3位のチームだけの事はあります。 簡単にパスをつないでいるように見えるガンバのプレーですが、柏が奪いに行かないのではなく、奪いに行けないのです。安易に奪いに行って、ワンツーから数的不利を作ってしまえば、ガンバにとっては「待ってました」という場面になります。 ワンタッチ、ツータッチをまじえてボールを回すガンバの中盤を見ていると、サポートする選手がよく動いていることがわかります。リターンするのか、動いて受けるのか、実にコミュニケーションがとれています。 

 橋本と遠藤がポジションチェンジをした場面がありましたが、西野監督の指示ではなく、フィールドプレーヤー達の判断によるものと後で知って、アジアチャンピオンの判断力のレベルを感じました。 ベンチからの指示でなく、自分達でポジションを変えるタイミングを見失う事なく、実行していく事はこれまでの日本代表でもなかなか見られる場面ではありませんでした。

 リーダーシップを取る遠藤の判断もありますが、チームメイトがその判断を受け入れて、その意図に沿って動くことができるという事は素晴らしいことです。 日本のサッカーも、レベルがひとつ上がったのではないか、という感覚さえ覚えました。 

                   

 ガンバにもう一つすぐれた点があったのは、デフェンスです。 「ここでボールを奪うぞ!」と決めたら、一人ではなく、二人、三人でボールを奪いに行って、攻撃につなげる。そのメリハリには、柏にないものを感じました。 昔、クライフのいたオランダチームの「トータルフットボール」では、攻撃時には、ポジショニングをローテーションしながら相手を惑わし、相手ボールになった瞬間に「ボール狩り」と称して、複数でボールを奪いに行くというシーンが見られました。 クラブワールドカップでの経験から、ボールを奪う「タイミング」がチーム全体に浸透していたことと、奪った瞬間に慌てることなく、ポゼッションしながら、スペースに展開していく様子は、ジャパンサッカーの手本と言ってもよいのではないかと感じました。 

 高いデフェンス、フォーワードがいるわけでもなく、ルーカスが前線で安定したプレーを見せていますが、ポイントゲッターではなくチャンスメーカーとしての動きに徹しています。 170センチ以下の選手もいるガンバですが、日本代表が世界における「立ち位置」と似ているのではないでしょうか。 

                    
 
 このようなゲームを見て、育成年代には何が必要か考えてみました。 まずは、簡単そうに見える「ショートパス」によるポゼッションです。 これは小学生から中学生にも必要な技術ですが、動きながらのプレーの連続での正確なパスワークの基本はやはり、キックです。インサイドやアウトサイドでのパスです。そして、よい体勢でパスを出す、パスを受けるという「基本」が徹底されているので、常にパスコースがあります。 

 さらに、動いてパスを受ける、パスを出すという事を繰り返しているので、柏はインターセプトを狙う事がなかなかできません。 縦に入れるボールも確立の低い場面では、無理をせず、ボールを下げます。横パスを交換して、縦に入れるタイミングを狙っているところに「ポゼッションのためのポゼッション」ではなく、「攻撃するタイミングを図るためのポゼッション」とう事が言えます。 

 決勝点となった播戸のゴールも、遠藤のパスからチャンスが生まれました。ゴールを狙える場面では積極的にゴールに向かう。無理と判断してサイドにボールを散らすことなく、勝負どころを抑えたプレーが決勝点を生んだと言えるでしょう。 

                     

 このようなサッカーは、小学、中学、高校の育成年代では不可能でしょうか。 いいえ、「勝負どころ」の感覚と「無理なら判断を変える」事は、小学生のサッカーでも必要と考えます。 相手ボールになれば「ボール狩り」をしても、ボールを奪いに行かなくてはなりません。その時間は相手の時間であり、シュートを打たれる可能性もあります。 相手ボールになった瞬間に「相手にシュートを打たれる」「そのシュートで失点するかも知れない」「高い位置でボールを取れば、シュートチャンスにつながる」という、「アラート」の意識を持つことは、小学生や中学生でも必要な事です。 

 さて、高校サッカーでは、期待されるチームが1,2回戦で敗退し、今日、ベスト4が決まりました。 まったくこの数日間のサッカーは目が離せません。鹿島に内定している大迫選手はずいぶん前から注目されていましたが、この大会では1試合2得点を4試合連続するという快挙を続けています。 シュートシーンだけを見ると、大迫選手がうまいという印象を受けますが、混戦からのシュートではなく、カウンターからの攻撃からの得点が多いようです。

 相手チームもマークをしているのですが、瞬間的な切り返しや、仲間をうまく使うプレーは「超高校級」です。鋭い切り返しや、GKの逆を取るプレーを出来る選手は他にもいますが、確実に決めるという決定力は「センス」を感じます。 この大迫選手がどのように育ってきたか、これからどのように成長していくか。分析や追跡をして研究することによって、日本の「ストライカー不足」の解消に役立つのではないかと考えます。 

 ガンバでは播戸が決勝点を決めましたが、タイトルのかかったプレッシャーのきつい中でのプレーを大迫選手も経験していくことで、「ストライカー」としての成長があると考えます。 

                   

 選手を育てるのは、「ハイプレッシャー」という環境です。練習から公式戦まで、「プレスのきつい」なかでこそ、実戦に通じるプレーを身につけることができる。 これは、プレーする本人だけでなく、チーム全体が意識を持つことが大切だと考えます。

  トレセンでは、所属チームから選抜された選手が集まる環境を作ることができるので、さらに「プレスのきつい」環境を作って、「プレスの中で通じるスキル」の習得を目指しています。 プレッシャーがきつくても通じるスキル。これを意識して2009年をトレーニングしていきましょう。 今年も頑張りましょう。


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no11 自分のことは自分で・・・と 癖を直す
 2008.12.27 

 このコラムも今年最後になります。一週間に一度原稿を書くという事や、メルマガを発行するという事は自分自身の経験や知識の棚卸しにもなります。また、クラブワールドカップや高校サッカー選手権、ナショナルトレセンなど時事的な話題について触れることもできました。


 さて、サッカー少年の皆さんは冬休みですね。 冬休みに入って早々にクリスマスでしたが、サッカー少年へのプレゼントはなんだったのでしょうか。 サッカーシューズ、スパイクという声がグランドで聞こえました。サッカーゲームという声も聞こえました。また、5号球という声も聞こえました。 頑張っているサッカー少年にはさぞかしすばらしいプレゼントがあったことでしょう。 

                   

 ところで、この時期ですので、ひとつふたつ話を聞いて下さいね。 
 よいサッカー選手になるためには、練習をする事の大切さは言うまでもありませんが、この冬休みにチャレンジして欲しい事があります。 

 それは、物の管理と自己管理です。 硬い表現ですが、わかりやすく言えば「自分の事は自分でしよう」という事です。 サッカーシューズを買ってもらったら、早く履きたいですよね。汚れれば、手入れをしますよね。でも、ぼろぼろになって履けなくなるまで、手入れをし続けることができていますか。 

 つまり、モノを大切に扱う、手入れをするという事をしていますか。 プロになれば「ホペイロ」が用具の手入れをしてくれます。それは、プロだからです。 
 アマチュアの皆さんは、自分の事は自分でしなければなりません。 それができなければ、プロにはなれないと言っても過言ではありません。 

 自己管理とはどういうことでしょうか。 冬休みはいつもより時間があるのではないですか。それならば、時間の使い方を見直してみましょう。

  朝起きます、何時に起きますか?朝食は何時に、何をどれくらい食べますか。便の状態はどうですか。水分を計画的に飲んでいますか。ジャンクフード(ポテトチップスやスナック菓子など)を毎日食べていませんか。


   クラブの練習のほかに、自主的にトレーニングする計画を持っていますか。
   計画は自分でつくっていますか。
   用具を手入れする時間を作っていますか。
   体を清潔に保っていますか。
   入浴時には足の指までチェックしていますか。
   ストレッチなど、体のメンテナンスを行っていますか。
   就寝時間を決めて、よく眠れますか。 


 精神論ではありませんよ。サッカー少年はスポーツマンですから、心と体をよい状態に保つ事は、練習と同じぐらい大切な事です。 これらの事が「苦行」であっては続きませんね。 当たり前のように出来る事が大切です。 大好きなサッカーを続けていく、誰にも負けたくない。 そういう気持ちがあれば、寝る事、食べる事、体の手入れ、物の手入れをする事はつらいことではないはずです。 

 冬休みや夏休みは生活が乱れがちな時期です。特に冬は体調管理が出来ていないと風邪をひいたり、食べすぎで消化不良を起こすこともあるでしょう。 やれることから少しずつ頑張ってみてくださいね。 

                   

  ところで、この原稿を書いている時に、フィギュアスケートの全日本選手権が行われています。 世界チャンピオンの浅田真央選手もプレッシャーを感じているようですね。 私は、浅田選手のコーチ「タチアナ・タラソワ」さんに注目しています。 
 
 チャンピオンメーカーと言われ、荒川静香選手も指導したコーチですね。 故人ですが、エディタウンゼントというボクシングのコーチもいました。彼も、チャンピオンメーカーとして、最期は井岡選手のセコンドをしながら息を引き取りました。 世界には素晴らしいコーチがこのように結果を出しています。 何か秘訣があるのでは?と研究しています。選手の気持ちを引き出すことや不安を取り除くことなど大会や試合に臨む時の方法は誰でもやっていることでしょう。 

 
 タラソワコーチと浅田選手のトレーニングの様子を見て、名コーチに通じるものを再確認しました。 それは「悪い癖を見つけて、直す」という事です。 

                 

 ボクシングもスケートもそしてサッカーも、長いこと続けていると「癖」は必ずつきます。 「悪い癖」かどうかの見極め、そして「直し方」。 これは、ボクシングやスケートのような、コーチと選手の1対1の関係だからできるだろう。 いいえ、サッカーにも当てはまるのです。 もし、出場した試合をビデオに撮っているのであれば、この冬休みに見てください。 

 ポイントは、ボールを奪われるシーンです。 
ボールを持っていて、攻撃に移ろうしているシーンで奪われる場面を見てください。 

 多くの選手は右利きなので、相手が右にいても、左にボールを持ちかえないで、右足でなんとかしようとします。 その場面でボールを奪われていませんか。 もし、その場面で左足、つまり、相手から遠い方の足にボールを持ちかえていれば、相手の足が出てくる事もなかったのではないか。という事です。 

 利き足にたよってしまう。これは、サッカー少年の「悪い癖」です。 何とかなってしまう事もあるので、コーチも強く言わなかったり、直さなかったりします。 でも、放っておいて自然に直るものではありません。 コーチに言われる前に、自分で直してみませんか。 相手から遠い足でボールを扱う、両足を使う事。 これは、特別に難しいことではありません。苦手だから行動に移さないだけですね。 

 この事だけを冬休みのテーマにしてもよいぐらいの大切で、効果のあるテーマです。 「悪い癖=bad habit」にならないうちに、両足を使える「goog habit」を身につけよう。 年明けには、天皇杯、高校サッカー選手権・・・楽しみですね。 よいお歳をお迎えください!

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no10 トレセンで光るために必要なものは?
2008.12.18  


 クラブワールドカップのベスト4が出揃い、技術の高さと勝利へのモチベーションの高さを目の当たりにしています。 どのチームも個性的なサッカーを展開し、チーム戦術もそれぞれです。 

 この原稿は、準決勝の「CFパチューカ 0-2 リガ・デ・キト」を見てから書いています。 キトの攻撃の起点となっている「アレハンドロ・マンソ」のチャンスメイクで2点を奪いましたね。 キトはバチューカにパスを回させていましたが、ハーフウェイを超えてからの縦パスは見事にカットしていました。 DFが強いので、マンソ+2,3人での攻撃で少ないチャンスをモノにできるというゲームですね。 

 パチューカが、ショートパスをつなぐポゼッションサッカーを90分続けるレベルも素晴らしいものでした。 ポゼッション率が高いので、シュートチャンスもありますが、完全に崩してシュートしている場面はわずかでした。

  試合巧者のキトのデフェンス能力の高さを感じました。 それぞれのチームカラーが出た、非常に楽しい試合でしたね。 日本対マンチェスターU戦は、まだ見ていません。楽しみです。 

 クラブワールドカップのベスト4に出場している選手が、必ずしも母国のWカップ代表であるかというとそうではありません。キトのマンソもアルゼンチンの選手ですが、代表に入っていません。 アルゼンチンの層の厚さを物語っているという事になるでしょう。   ガンバ大阪の、日本代表選手は、遠藤、安田、橋本があげられます。代表での主軸のひとりとして遠藤の存在は大きいですね。代表でも、ガンバでも「パスサッカー」を展開し、違和感の無いプレーをしていると言えます。  

                                    

  ■クラブチームとトレセンの違い 

 ジュニアからユース年代にかけて、所属クラブはどんなサッカーをしているでしょうか。 育成年代という事から、ドリブル主体のチームでボールを持ったらどこでもまずドリブルする。ドリブルという個人技術を徹底的に育成する。こういうクラブもあるでしょう。

 一方、パスサッカーを軸としたクラブでは、ショートパスを主体にポゼッションする事をテーマにしているクラブもあるでしょう。また、身体能力の高い選手(足が速い、背が高い)を武器とするチームでは、ロングボール主体に空中戦で勝負してくるチームもあります。各クラブチームの目指すサッカーと選手の個性によって、クラブチームが戦い、また、育成していると言えます。 

 今回のクラブワールドカップを見ていても、クラブの戦術と代表の戦術が違っていても、代表選手たちはしっかり対応できているという点を見て欲しいと思います。 クラブでは、ストッパーをしているから、トレセンチームではサイドがやれないとか、中盤をやれない。 これでは、まずいわけです。 クラブでは、トップ下をやっているので、サイドバックはやれない。これもまずいわけです。 

 トレセンチームとして不利という意味ではなくて、育成年代である小学生から中学生であれば、どのポジションを与えられても、そのポジションをこなして欲しいし、それが要求されていると言えます。 クラブでは、なかなかいろいろなポジションを経験することは難しいかも知れません。 でも、与えられたポジション以外についてイメージすることは出来るはずです。 

 あなた(選手)がフォワードであろうが、ボランチであろうが、センターバックであろうが、相手が持っているボールは奪いに行かなくてはならないし、仲間が奪いに行っていたら、相手選手をマークしなければなりません。 また、チームがボールを持っている時にはどのポジションであっても、サポートが必要です。センターバックはフォワードがボールを持っている時は休んでいい理由はありません。サポートできる場所が必ずあるので、動く事が必要です。 

 このように、攻守の基本や原則が身についていれば、トレセンチームでどのポジションを与えられても、動けるはずです。 逆に、経験の無いポジションこそどんどんトライしていって欲しいですね。そういう刺激がサッカー選手としての能力アップにつながります。  
                                     

■クラブのサッカーとトレセンサッカー トレセンでは、多様な技術を求めていきます。

 個を育てることもテーマに上げていますが、たとえばドリブルは誰にも引けを取らないけれど、20mのパスが正確に蹴れない選手は、サッカー選手として成功するでしょうか。という事です。 20mのパスを正確に蹴る基本レベルを持っているけれど、あえてドリブルで突破する。

 つまり選択肢を持ってプレーする事が出来るという強みを持って欲しいという事です。 所属するクラブがドリブル主体のチームだから、パス練習が少ないと考えるならば、パスの練習を個人レベルで行う必要があります。 クラブは、トレセン選手を出すためにあるわけではないという事を理解してください。逆に、トレセンはクラブに対して、こういうサッカーをさせてください、そうでないとトレセンでは通用しません、という事もあり得ません。 

 トレセンに来るという事は「個」としての評価です。ここを勘違いしないで欲しいです。 クラブで主軸の選手がトレセンでも主軸となれるかというと、主軸ばかりを集めるわけですからある意味「等質」の世界がトレセンです。その中で主軸になる、ならないは、個人としてプレーの引き出しの多さや、そのレベルがどれだけ高いものを持っているか。ここにかかってくるでしょう。 

 トレセンチームで、「今日はショートパスをつないでポゼッションするサッカーをしてみよう」というテーマの時に、ロングキックが得意だからと言って、ボールを持ったら相手デフェンスの裏にボールを放り込んでいたらどうでしょうか。キック力あるなあと評価されるでしょうか。ちがいますね。ポゼッションが理解されていないという評価にならないでしょうか。 
 また、ドリブルが得意だからと言って、よいポジションにいる仲間へのパスよりもドリブルを優先させていたら、その場面での判断としてはどうでしょうか。ドリブルがうまい、という評価よりも「周りが見えていない」と評価されないでしょうか。  

                                      

       ■意図を持ってプレーしよう。

  チームではセンターバックをやっているので、守備の1対1という対人プレーでは自信があるけれど、奪ったボールはいつも大きくクリアしてしまう選手がいるとします。 その選手がトレセン仲間にこう言われました「クリアしたら相手に跳ね返されてしまうじゃないか、僕がここでサポートしていたのに何で渡してくれなかったんだ」 

 そこで判断して欲しいのです。「ボールを奪ったらまずクリアだろう」と言うのか、「君に渡しても、相手が寄って来ていたのでクリアしてピンチを乗り切った」と言えるのか。 またある選手は、自軍エリアでドリブルを開始したとします。その仲間に対して「相手の枚数が少ないのに、何でドリブルしているんだ。速攻だろう。パスしてくれ」という選手がいました。 

 どう答えますか。 

 「クラブでは、ボールを持ったらまずドリブルと教わっている」と言うのか、「相手の枚数が少ないのはわかっていた、だから、ドリブルで中盤の相手を引きつけて、サイドチェンジをしようと思った」と言うのか。 クラブでやっているプレーをいったん身につけたら、どんな場面でどのようなプレーをする事が、チーム戦術になるのか。 

 意図を持ってプレーする。意図を持って判断する。

 判断した事について、その意図を話すことができる。たとえ結果がミスに終わったとしても、意図のあるプレーでの失敗は、次の成功につながります。 
 意図のないプレーの成功や失敗は単なる偶然です。  
 このような意図のあるサッカーが、大人にならないと出来ないのでしょうか。 いいえ、トレーニング次第では、3年生や4年生でもしっかりと意図を持ったプレーができます。  そのためには、「自分で判断する」事の基礎や、「判断に沿って動く事のできるアジリティやスキル」をその年代のレベルに合わせて身につける事が必要です。 

  このコラムをよんでいるお父さん、お母さんが、お子さんのゲームを観る機会があったら、家に帰ってから、お子さんに聞いてみてください。 

 「ケンちゃんがゴール前でフリーだったけれど、どうしてドリブルしたの?」 
「相手を抜きたかったから」なのか「抜いてからパスしようと思った」のか「気がつかなかった」のか。 

 こういう答えもあるかもしれませんよ。
 「ケンちゃんの隣のデフェンスが強いから、ケンちゃんにパスしてもとられるとおもったから」  

  管理ブログ「親子のためのジュニアサッカーコーチング」では、このような親が関われるコーチングについて紹介しています。訪問してくださいね。

                        http://jr-soccer-coaching.naotech.info/

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no9 攻撃&守備 今年一年を振り返って!! 

 2008.12.10

 少年サッカー界では、クラブ単位の大会も落ち着いて、現在はトレセンチームの大会が
行なわれています。トレセンに選抜された選手は自分の力を試す機会なので、元気良く
思い切ってプレーしてくださいね。 

                       

 選抜された選手も、選抜されなかった選手も、この時期に、今年一年を振り返ってみて
はどうでしょうか。 

 まず、チームの成績よりも、個人としてのプレーを振り返ってみましょう。 

 まず、攻撃です。次のいくつかについて、振り返ってみてください。 
  ・周りをしっかり観て判断するプレーする事。
  ・ゴールを奪うという意識でプレーする事。
  ・動いているボールに対してすばやく寄っていって、動きながらコントロールする事。  
  ・ワンタッチでのボールコントロールする事。 
  ・ボールを受ける前にしっかり観ておいて、
        どのようなパスを出せばよいかよい選択をする事。 
  ・ポゼッション、突破など、状況に応じたパスを出す事。 
  ・パスをする時は、グラウンダーの速いパス、
        浮き球でのパスなどパスの質を変える事。 
  ・ボールを持っていない状況で、ポゼッションの位置へ動くのか、
        突破する位置へ動くのか判断を変えていく事。 
  ・絶えず、ボールに対して関わり続ける事。 
  
 このように、攻撃だけをとってみても、絶えず動き続けるボールの位置に応じて、相手
の位置に応じて、関わり続ける事が必要になります。 
 どうでしょうか、このようなプレーが出来たでしょうか。

                          

  次に守備です。
  ・ 守備で一番大切な事はポジショニングを意識してプレーをする事。
  ・ 相手のボールに対し積極的にアプローチをかけて行く事。
  ・また、チャレンジする時の優先順位を考えながらポジションを修正する事。 
  ・チャレンジアンドカバーを絶えず続けていく事。 
  ・ボールを奪われた瞬間に守備になります。
         すばやい切り替えでボールを取りに行く事。
  ・相手へのプレッシャーをかけ続ける事。 

  どうでしょうか、このようなプレーが今年は出来たでしょうか。 
 攻撃や守備における個人のプレーの質を良くしていくためにはどうすればよいか。 これ
までの説明のように、動き続ける事が必要であることはいうまでもありません。
  動き続ける事ができましたか。
 つまり、足を止めずに走り続ける事が出来ましたか。 
 「走る」事が当り前に感じられるようになるためには、練習時にも足を止めない事です。 
チームでの練習時間内に「走るトレーニング」を取ることは効率的とは言えないので、走
るトレーニングこそ個人でトレーニングするものと言えます。 
 
                         

 この時期、走りこみをしてはどうですか。 走ることが苦でなくなると、プレーにも大きな効
果が生まれます。 まず、攻撃では、サポートが積極的にできるようになり、中途半端な角
度でもらうのではなく、引く時はしっかり引く、縦へ抜けるときはしっかり走りぬけるという
事を繰り返しできるようになります。 

 そして守備です。 ボールを奪われて、追いかけて奪いに行くという走りはとてもつらいも
のがあります。でも、そのような走りで相手にプレッシャーを与える事のできる選手が「よ
い選手」と言えるのです。 走る事が苦でなくなる、自信がついてくると、守備においても追
いかけるプレーの場面が多くなります。

 当然、ボールを奪ってから攻撃に移る時も走り続けることになりますが、ピンチからチャ
ンスを生む事が出来ます。 
 地味な事ですが、トレセンのような選抜された選手達の中でも、走り続ける選手は、渋く
目立っています。 ボールを持った時に派手に目立つ事と走り続けるプレーで渋く目立つ
事は、評価は同等だと考えます。 

 そのようなプレーをするためには、心の持ち方も大切なので、強いハートを持ち続けて
いく事できっと将来が開かれる事でしょう。 
 
                          

 私が運営しいるブログにもフィジカルトレーニングやメンタルについて書いているのでぜ
ひ訪問してください。

             http://jr-soccer-coaching.naotech.info/

 この度、めでたく結婚された今野選手などは、渋く目立っている選手の一人と言えま
す。ファンの一人として大変うれしく思います。


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no8 よいミスをたくさん重ねよう!
 2008.12.4 

 よいミスをたくさん重ねよう! 
だれもミスしたくてミスするわけではありませんよね。成功を信じてプレーした結果のミス。それは自
分でも「ミス」したとわかります。 「次は成功させよう」という気持ちになりますよね。 これは「積極的
にプレーした結果のミス」なので、よい失敗と言えます。 
 このような「よい失敗」と「成功体験」を数多く重ねて成長していくと考えます。 ですから、失敗には
「よい失敗と悪い失敗」があります  

                           

  これは、選抜されたトレセン選手にも見られることです。 「選抜されたからミスしてはいけない」 そ
ういう考え方をしている選手を見かけることがあります。 意識しすぎです。 コーチ達は「よい失敗か
悪い失敗か」をよく見ていますよ。 何もしなければ失敗もあり得ないので、成功したかったらトライす
ることです。 失敗や成功はその結果です。   
 
 失敗にもよい失敗と悪い失敗があると言うけれどそれはどんなもの? 
 失敗は失敗ですから、よいも悪いもないのではないか。 そういうご意見もあると思います。 サッカ
ーには失敗は付き物です。 よくない失敗とは「消極的なプレーによるミス」だと言えますね。 
 
 先ほどの例で言えば、シュートチャンスだけれど「自分が外すと責められるからパスしよう」 「自信
がないから味方にパスしよう」「アシストもカッコイイからパスしよう」 こういう発想からパスしても成長
が望めないでしょう。 ミスする事はサッカーの本質でもあります。 ミスを恐れていてはサッカーが出
来ないという事です。  
 
                            

 これはコーチから「ミスを恐れないでプレーしよう」とよく言われているのでわかりやすいと思いま
す。 でも、練習ではどうでしょうか。ミスしても平気になっていては練習効果が上がるでしょうか。 ミ
スに平気になってはいけませんが、練習でも「よいミス」をしてほしいものです。 何が良いミスで、何
が良くないミスかわかりますか。

  例えば、ファーストタッチで相手の取れないところにボールを置く練習をするとします。 多くの場
合、ボールを受けてからファーストタッチが小さくなりがちです。 これはよくないミスです。 相手に取
られない、自分も次にタッチしようとしたらスピードが必要だ、というスペースへの持ち出しは 思い切
って大きすぎるぐらいのタッチをしなければなりません。 
 
 ですから、よいミスとは「ちょっと強いかな、遠いかな」というタッチ。 悪いタッチとは、相手に取られ
るのが怖いから、次のタッチで自分がタッチしやすい近い場所へコントロールすること。 自分がタッ
チできても、相手に奪うチャンスも同時に与えてしまうことにもなります。  
 このように、自分がよいミスなのか悪いミスなのか気がつかないとソンですね。
  コーンを立ててドリブル練習をする場合でも、コーンに当てて平気にならない事も必要ですが、 コ
ーンに当てる事やタッチミスを恐れるあまり、全然スピードアップ出来ない事もよくありません。  
 
                             

 ミスするかも知れないけれど、チャレンジしよう。 
それぐらいの気持ちで練習にのぞむ事が大切です。 
 そのためには、成功するイメージを持つことが大切ですが、次回のコラムにて。


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no7  そのテクニックは何のため?
 2008,11,26


 そのテクニックは何のため? 
ケンのジンガ、リフティング、フェイントは何のためでしょうか。
めざせファンタジスタでボールコントロールや身のこなしを身につけるのは何のためでしょうか。
クーバーメソッドでボールマスタリーを身につけるのは何のためでしょうか。 

                    

 読者の皆さんやお子さんはたとえひとりでもコツコツと練習を続けて、よいボールタッチを身につけ
ているのではないかと思います。 最近の少年サッカーやユース、高校サッカーを見ても本当にスキ
ルがアップしていると思います。 
 30mのクロスボールをワンタッチでコントロールしたり、難しいワンツーパスで突破するシーンを見
ていると素晴らしいなあと思います。
  ボール中心のトレーニングをしてきた成果が出ているのでしょう。    

                     

 ケンと遊んだ時のことを思い出しました。 
 リフティングする子供に近づいて、回りをぐるぐる回るというものです。 
その子は気が散ったのか、集中を欠いたのかミスして落してしまいました。
「相手がいても、相手にひっぱられて平気になろう」 
 そう、ケンは言いました。  

  ケンのテクニックも、めざせファンタジスタも、クーバーのボールマスタリーも「相手がいても使える
スキル」を目指しています。  
 お子さんがひとりでボールタッチの練習をしているときに、もし、練習の手伝いをするならば、「じゃ
ま」をしてあげて下さい。 
 ジンガやドリブルの練習で、コーンを相手にする事と、人間を相手にする練習の効果は全く違いま
すよ。   

                      

 クラブのある日の練習メニューです。 
 その日のテーマはファーストタッチでした。 
 
 マーカーで約3m四方グリッドを作ります。10m離してもう一つ作ります。 それぞれのグリッドに選
手が入り、グリッド内でボールを受けて、グリッドからワンタッチで抜け出てて、次のタッチで、約10
m離れたグリッドの相手にパスをします。 
 
 シンプルな練習です。親子でもできますね。 ノープレッシャーでは本当に上手にできます。 そこに
軽いプレッシャーをかけます。 グリッドとグリッドの間にプレスをかける選手が立って、ボールがパス
された瞬間に受け手にアプローチします。 

 グリッドに入って取るところまではしないのですが、タッチが乱れて大きくなりますね。 これをしばら
く続けていると「取りに来ないから大丈夫だ」と慣れてきてしまいます。 そこで、「取りに行くように」し
ます。グリッドに入ってボールを奪う事です。先ほどより強いプレッシャーです。 また、ミスをするよう
になります。 これも続けていくとミスが少なくなります。 

 このように、トレーニングは「相手」をつけて、より実戦に近い形で行うことが効果的だと言われてい
ます。 でも、最初の「ノープレッシャー」でのボールタッチが出来なければプレッシャー有の状態でコ
ントロールが出来ないですよね。 
 さらに、ノープレッシャーで100%できるようになってから、プレッシャーをつけるという場合、いつ1
00%になるのか?という限度が見つけられないでしょう。 
 60%程度の精度でノープレッシャーでできれば、プレッシャーの中でトレーニングしてもよいでしょ
う。 
 30%の精度では、プレッシャーを与えてもほとんど練習効果がありません。  

                        

 すべてのスキルは「相手のプレスの中で使えること」が目標です。これを「オープンスキル」と言いま
す。 ノープレッシャーは「クローズドスキル」と言います。コーチング用語です。 
 
  こういう事はコーチだけが知っていればよいことではなくて、読者の皆さんも身近な例に置き換え
て考えていただければ理解していただけると思います。 
 たとえば、野球少年。 素振りをします。素振りをしないでプロになった選手はいないでしょう。 ま
た、キャッチボール。これをしないでプロになった選手もいないでしょう。 
 サッカーではどうでしょうか。リフティングぐらいでしょうか。ジンガステップなどもありますね。 自宅
ではクローズドスキルを徹底的にやっておく、練習のある日は相手のいる中でトライする。 
 
 バットの素振りはボールを打つためのトレーニングですね。 では、リフティングは何のための練習
でしょうか。 試合でリフティングをする場面はありません。でも何でやるのでしょう。 野球ではボール
を打つとき邪魔をする相手はいません。ボールをキャッチする時に邪魔をする相手はいません。 

 サッカーはボールを持つと相手が集まるようにできているスポーツです。 相手がきてあわてて、味
方にボールをわたしていたらまるで「爆弾ゲーム」です。 ボールを持っても慌てないこと。 そのため
にはボールを足で扱うことに自信を持つ必要があります。 

 そのためのリフティングです。 ボディバランスがよくなったり、ステップワークがよくなったり、リフテ
ィングの効果は少なくないです。 ですから、インステップでちょんちょんリフティングを1000回するの
であれば、その時間をもっとうまく使いましょう。 インサイド、アウトサイド、ヒール、肩、頭、など、手
以外の部分をすべて使う。それも左右交互につかう。 
 ちょんちょんを1000回できる選手より、アラウンザワールド5回ができる選手の方が可能性が広
がります。 ボールへの対応能力が高まれば、相手に奪われにくくなります。 
 つまり、自信がつきます。  
 せっかくの練習です。非利き足の練習やアウトサイドやインサイドのリフティングなど「できない」と
言わないでレッツトライです。やれば必ずできるようになります。
  親は、はげましてあげてくださいね。
 できるようになったら、「プレッシャー」をかけてあげてください。

                       

  中村俊輔選手率いるセルティックはCLのグループ予選で敗退してしまいましたが、ボールを持っ
て慌てる顔を見たことがないですよね。自信たっぷりの顔です。 自信は顔や姿に現れます。自信が
なさそうだと、相手に寄せられてボールを持てなくなりますよ。 
 「ボールを持てるな、こいつは」といったん思わせれば、相手は取りにこないものです。 
ボールに対する自信。
  それは相手がいても、どんな状況でも持ち続けること。 レッツトライ! 


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no6  日本代表戦と高校サッカーとトレーニング法
 2008,11,20

            ■ 日本代表戦 ■
 
 NABOです。寝不足です。

 今週のコラムは、W杯予選のカタール戦まで落ち着かないのと高校サッカー選手権の組み合わ
せが気になって、ついつい遅くなってしまいました。 
 
 19日深夜のテレビ放送はご覧になりましたね。カタール戦は3−0で勝ちましたね。初勝利なの
と、アウェーでの勝点3と無失点は結果としては上出来です。 
 感想はいかがですか。田中、玉田、闘莉王選手が決めてくれましたが、決定力は素晴らしいで
す。 
 カタールデフェンスを崩して、チャンスを作ったのは、中村俊輔選手や遠藤選手だけではありま
せんでした。 私は、長谷部選手(ウォルフスブルク)をずっと見ていました。チャンスに絡んでいま
したね。実にいい動きをしていました。 
 海外での経験なのか、ゲームの読み方が実にすばらしいです。ウォルフスブルクでも最近トップ
下を経験したという事もあり、縦への動きが良かったですね。カタールのデフェンスを引きつけて、
トップの3人にスペースを与えていましたね。 
 その分、中村俊輔選手は守備をするシーンがありましたが、やはりゲームが見えています。 

 前回のシリア戦を観て、カタール戦に向かって得るものがないなあと心配していましたが、海外
組は技術だけでなく、精神的にも、ゲームの読み方も国内組との差を見せつけていました。 海外
リーグで身につけるものは、プレーのうまさだけでなく「サッカーというゲームの戦い方」なんです
ね。  


                  


              ■ 高校サッカー ■

 さて、高校サッカー選手権の都道府県代表校が決定し、私が注目している野洲高校が滋賀県代
表になりました。第87回全国高校サッカー選手権大会は、17日に組み合わせ抽選が行われまし
た。市立船橋、藤枝東、鹿児島城西、作陽など全48校が、来年の1月12日の決勝戦を目指して
戦います。
 詳しくは第87回高校サッカー選手権のHPをご覧ください。
                              http://www.ntv.co.jp/soc/

 前回のコラムでは、世界の18歳はビッグクラブで活躍し、W杯を目指していると書きましたが、
海外リーグでは17歳や18歳の選手達が初ゴールを上げるというニュースがどんどん飛び込んで
きます。 
 ポジションがどこであっても、ゴールを狙うという「サッカーの本質」が身についているんだなあと
感じています。

  高校サッカー選手権は、Jリーグへの扉というイメージがありますが、Jリーグ下部組織のユース
チームの選手たちも活躍の場は違いますが、頑張っています。 

 今週号のメルマガには、そんなJリーグを目指す少年達に読んで欲しい本があるので紹介します
ね。 


                     

 
      ■ トレーニング方法紹介  「MTMメソッド」とは ■

 このHPの読者から、どんなトレーニングをすればいいのかとよく聞かれます。今回は、ひとりで
練習する方法でなく、皆さんが所属するクラブの練習で意識して取り組むことで効果が違うよ、とい
う話をします。

  コーチが作るメニューや指導方法がどんな意味を持つのか?
これを知っていれば、練習がさらに効果があるよという事です。 
 「MTMメソッド」 知っている方も多いと思います。 
    
    Mはマッチ、つまりゲームやミニゲームですね。
       Tはトレーニングやドリルです。
           もうひとつのMもマッチです。 

 マッチして、トレーニングして、マッチする というものです。 
 
 最初のマッチでは、その日のトレーニングテーマに合わせて、注目するポイントを指導します。 
たとえば、その日のテーマが「カバーリング」だとします。
 最初のゲームで、カバーリングだけを注目します。(フォーカスするといいます) ゴールを外そうと
ドリブルばかりしようとここでは無視です。
 カバーリングのシーンだけを注目して、よくできていれば止めてでも「いまのカバーリングよかっ
たな」と褒めます。 選手はカバーリングの大切さを意識します。
 
 でも、出来ない選手がいます。
 カバーリングが出来ていない場面でも止めます。
または、止めないで声で表現します。
 (止めることはフリーズをかけると言います。止めないで指導することをシンクロと言います)


 トレーニングに移ります。
  2対2の攻守などをやりながら、カバーリングの方法についてトレーニングします。
ポジショニングやコミュニケーションの取り方、見る優先順位ですね。
 何種類かのメニューを行います。 
最後のマッチでトレーニングの効果を確認します。 

 トレーニングの効果が出て、最初のマッチではできなかった事がこのマッチでできるようになるこ
とが目的です。
 このメソッドの効果はコーチの腕だけでなく、選手の「意識」によるところが大きいようです。 
 マッチになるとボールに夢中になってしまって、「何を意識してやるのか」をポーンと忘れてしまう
選手が見られます。 コーチが「カバーリングしよう」と言っても、相手ボールになると、相手とボール
だけしか見えず、味方がどういう動きをしているか見えていない事があります。 
 そのマッチで何を意識してやるか。 
 それが日々の練習で出来ないと、試合でも「意識したプレー」ができません。

  さあ、コーチが与えてくれたテーマ、自分でトライしたいテーマを意識しながらゲームをしよう。そ
の積み重ねが「世界に羽ばたく18歳」になると、コーチは信じています。
                                         レッツトライ!



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no5 世界の18歳はワールドカップを目指している
  2008.11.10 

 ■あきらめたらノーチャンス! 

 今、高校サッカー選手権大会の各都道府県代表が続々と決定しています。 
NABOコーチのチーム出身の選手も、先日、国立行きの切符を手にしました。 小学生時
代は華々しい成績を残せませんでしたが、あきらめる事なく、人一倍の努力を重ねてい
ました。 
 早朝、夜遅くにランニングする姿をよく見たものです。 
 サッカーはチームゲームです。しかし、ベンチに入るためには、ゼッケンをもらうために
は、一人で努力する事が大切になってきます。 
 ライバルに負けたくない。ゼッケンをもらい、ユニフォームを着る事を目指して人知れず
頑張る姿。 必ずしも結果がでるとは限りません。 
 でも、そのような努力を続ける事がチャンスをつかむ事につながります。 あきらめずに
トレーニングを続けていれば、国立行きの切符が手に入るという事です。 
 
 「あきらめたらノーチャンス」 そう、なかなかスタメンに入れない、レギュラーに定着しな
い、つまらなくなりますね。こんなに努力しているのに。 みんな努力をしているので、練習
の質や量の差とあきらめないというメンタルの強さが差をつけると言えるでしょう。 
 ところで、高校サッカーでは、高校1,2年生で出場している選手も少なくありません
ね。 彼らは、4〜5年前には小学生でした。 小学生時代にはどんな練習をして、何を身
につければいいのでしょうか。 
 
 1番目は、サッカー大好き少年である事!    
これは、合格かな?好きでなければ続けられません。 

 2番目は、負けず嫌いである事!      
試合の勝ち負けだけでなく、練習でのリフティング回数を競う事でも「負けて悔しい」という
気持ちの積み重ねが、大切です。身体をぶつけながらボールを奪い合うサッカーでは
「負けない!」という気持ちがエンジンになります。 

 3番目は、サッカーの本質となるプレーが出来ていること。     
本質とは「ゴールを奪う」「ゴールを守る」そして「ボールを奪う」「ボールを奪われない」と
いう事です。    
 サッカーはルールがあり、ボールを扱うスポーツですから、そこに「スキル」というものが
必要となります。    
 ドリブルもフェイントもパスも、自分と相手と味方を意識してトレーニングする事です
ね。 

                

  ■ストロングポイントを磨こう 高校サッカーの話に戻りますね。

 NABOコーチの好きなチームのひとつに、野洲高校があります。 
数年前に「セクシーフットボール」「ヒールパスを駆使した華麗なパスワーク」で全国一に
なりました。 その頃の選手はオール滋賀県出身です。有名私立高校の多くは、他の都
道府県からの優秀な選手が集まります。 
 そんな中、公立高校の野洲高校は、県内出身者だけのチームで栄冠を勝ち取りまし
た。しかも、その時の選手達の平均身長はなんと165センチ!でした。 
 スピードとキック力とヘディングの高さを武器とする有名私立高校に勝つためには、個
人技しかありません。 
 それも徹底した個人技で、高度なドリブルとショートパスを主体としたサッカーでボール
を回し続けました。 「あきらめたらノーチャンス」 実は、この言葉は、野洲の山本監督の
言葉です。 
 野洲高校の選手達は、高校生になってから技術を身につけたのではなく、小学校〜中
学校一貫して高度なボール扱いのトレーニングをしてきた成果だという事です。
  ボール扱いは1〜2年では身につきません。 野洲市のチームは、少年サッカーの全
国大会にも出場しています。 
 私も実際に見ましたが、スキルフルな少年達でした。 足が速い、背が高い、正確なロン
グパスが蹴れる。
 このようなストロングポイントを持つ高校が多い中で、野洲高校のストロングポイントは
「技術」でした。 背が高くない、足も速くない選手達が「技術」で「力」を負かすという事を
成し遂げたのです。 
 これは、日本代表と世界の強豪各国の関係に似ていませんか? 体格には劣るけれ
ど、正確な技術と豊富な運動量、そして判断力やひらめきのあるサッカーで世界と戦う。 
 少年サッカーでも、「パーフェクトスキル」とともに「たくましさ」や「ハードワーク」を身につ
ける事を課題として、各トレセンでも積極的に取り組んでいます。  
 サッカー少年がサッカー選手になる。のではなく、サッカー選手の少年時期がサッカー
少年だという考え方を持って、試合の勝ち負けは大切だけれども、同時に「個」をしっかり
磨いていく。これが大切です。 

               

 ■世界の18歳はワールドカップを目指している 

 高校サッカーで全国大会に出て注目され、Jリーグから声がかかる。 ひとつの夢かも知
れません。 でも、マンチェスターUや、ACミラン、やバルサなどのビッグクラブから声が
かかったらすごい事ですよね。 そんなビッグな夢を持ってサッカーをして欲しいと思いま
す。 
 高校生といえば18歳。 
 メッシは18歳でワールドカップに出てプレーしていました。 
 世界中の17歳や18歳は、ワールドカップに出てビッグクラブから声がかかるのを狙っ
ています。 全国のサッカー少年も、2014年ブラジル大会や2018年大会を目指して頑張っ
て欲しいですね。   


                               ジュニアサッカーコーチ NABO 
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no4 ファーストタッチで相手をかわそう
 2008.11.3


 〜ファーストタッチで相手をかわそう〜 

 ケンのフェイントやリフティングバイブルもトライして身についてきた。 ジンガステップも
できるようになったし、 シザースもダブルで行けるようになった。
  めざせファンタジスタもステージ7から8、8から10とステップしてきた。
 ボールコントロールはバッチリだ! 
それは、素晴らしい!
じゃさっそく試合で活躍しよう。  
 そういう君たちにアドバイスがあります。

                     

  ボールを一発でコントロールできるならば、試合ではどの場面で使うのが効果的だろ
う。 
 ワンタッチでコントロールするということは次のような場面を想像してみてください。
  相手チームのクリアボールがこぼれて自分のほうへ来そうだ。 よし、ボールの落下点
に走りこもう。
  ここまではOKですよね。 
 当然相手DFもボールの落下点に寄って来ます。 
 場所は、ペナルティエリアとハーフウェイラインの間ぐらいです。  
ここで、「判断」と「ファーストタッチの質」の差が出ます。  
 A君は、「まず、ボールをキープして、相手をかわしてアシストかゴールを狙おう」として、
ボールだけを見ながら、落下点に走りこみます。 
 B君は、「ボールの落下点には自分が先に入れそうだ、でも正面から相手も迫ってきて
いる。左にスペースがあるから、ファーストタッチでスペースに運んでみよう」として、ボー
ルと相手とスペースを見ながら、落下点に走りこみます。 

                     

 サッカーはダイナミックなスポーツです。
 ワンプレー、ワンプレーが途切れることなくつながっていきます。
  A君はテクニックはありますが、観て判断するという意識が足りないようです。ボールを
自分のモノにできても、相手ゴールの前では厳しいプレッシャーを受けて、シュートやアシ
ストまで持って行けないかもしれません。 
 
                     

 B君もA君と同じぐらいのテクニックがありますが、ボールだけでなく相手やスペースま
で観ることができます。自分がキープすることよりも、相手に取られないところへボールを
運ぶという意識があるため、ファーストタッチでボールをスペースに運び出した瞬間に、
相手デフェンダーをひとりかわすことができました。 
 数的優位を一瞬のボールタッチで作ることができる。 
                      

 この差は大きいですね。 ファーストタッチでボールを運ぶ事の大切さです。次のプレー
がしやすい場所へ運ぶだけでなく、相手の取れないところ、大きく出すコントロール。これ
らの技術と判断が連動して、素晴らしいプレーができるという事です。 
  ボールをたくさん触ることができる選手になったら、たった一回のタッチで局面を変
える選手を目指してください。 
 駆け引きの判断とボールコントロールのテクニックです。 伝説のマラドーナの5人抜き
も1回のタッチの正確さの連続で生まれています。  
 やる前から無理とか、出来ないと言わないで、レッツトライ!きっとできるぞ。

                              ジュニアサッカーコーチ NABO 

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no3  6年生で選抜(トレセン)に選ばれたいとお考えですか?
     2008,10,26
  〜6年生で選抜に選ばれたいとお考えですか? 〜

   ■トレセンは4年生から始まります。

 多くの都道府県ではトレセンは4年生から始まります。
 所属チームの推薦で地区トレセンで活動開始されます。 都道府県の4年生トレセン、
いわゆるU10トレセンは4年生のうちに選抜されます。 ほとんどの場合、5年生トレセン
もこのメンバーを踏襲する事が多いようです。 
 ということは・・・
 
(1)4年生で選ばれなければチャンスがないのか?
  いいえ、たとえ4年生で選ばれなくても、U11(5年生)、U12(6年生)で選び直すのが
一般的です。 逆に言うと、将来、U12(6年生)になった時にも活躍できる選手を選考で
きるかという事が課題になります。
  4年生で選抜に選んでも、天狗になって(つまり、選ばれた事に満足して、トレーニン
グを怠る事)しまったり、ホッとしてしまう(つまり、今回選ばれたんだから、5年生、6年
生と選ばれ続けるだろう)というケースがあります。 小学生の1年間は大人の感覚でい
えば、3年分の相当すると思います。 たとえ選ばれなくても、半年間、テーマを絞ったト
レーニングをすれば、クラブのコーチの目にとまる事も十分あり得ます。 また、そのよう
な成長をアピールする必要があるかも知れません。 

 (2)4年生で選ばれるためにはどうすればいいのか?
 3年生までのトレーニングが重要になります。4年生で選ばれるための技術などが身
についているかどうかです。 
 私は次の内容は身につけて欲しいと考えています。また、身につけていないと4年生
での伸びが期待できないかも知れません。   
   
    1.10m程度のキックを正確にできること。  
    2.キックはインステップ、インフロント、インサイドが蹴り分けられること。 
    3.ドリブルではアウトサイドを使ったドリブルができること。また、インサイド、
       アウトサイドでの切り返しが両足でできること。  
    4.ターンができること。インサイドフック、アウトサイドフック、ソールを使う、
       クライフターンが出来る、などです。  
    5.ヘディングの基礎ができていること。  
    6.かけひきのセンスを身につけている事。つまり、ボールコントロールだけで終
       わるのではなく、相手とのかけひきを意識しながら、ファーストタッチ、ドリブ
       ル、フェイント、ランウィズザボールなどができること。  
    7.攻守にわたって「ハードワーク」ができること。 

 これはU12で要求されるファクターですが、6年生になって突然身に付くものではなく、
4年生の時に、その基礎を持っていることで、5、6年生でのハードワークの土台を作る
事ができます。  

                        

   ■3年生のうちに体験してほしいこと
 
  4年生である程度のスキルを身につけるためには、3年生ですでに高度とも言えるト
レーニングをする必要があるかのような感覚を受けます。 でも、3年生には3年生とし
て体験して欲しい事もあります。 
 それは、「団子サッカー」です。
  ボールに触りたい、ボールに触りたい。 相手のボールも味方のボールも自分のもの
にしたい。 そのためにはボールに群がる相手や味方おかまいなく、体の接触を嫌うこと
なく、団子に飛び込む体験が必要です。 その経験をある程度の期間体験することによ
って、「コンタクトスキル」の習得に差がついてきます。
  「体を上手に使う」「体の入れ方」 この土台は3年生での「団子サッカー」で、押したり
引いたり、ぶつかったりという事が「サッカーでは当たり前」という感覚を身につけてほし
いのです。
  3年生であれば、「ボールを自分のものにしよう!」という働きかけで、ボールに対す
る執着心が身についていくでしょう。 さらに、「取ったボールを取られないようにしよう」と
いう働きかけで、集団の中でボールを持っていても、取られるだけなので、集団の外の
スペースにボールを持っていこう。
 こういう意識でのドリブルが生まれます。


                        

    ■大切な小学3,4年生の時代 
 
  こうして考えると、U12のサッカーはU10で決まるといっても過言ではありません。U10
で基礎がためをするためには、3年生に何をするべきか、という課題が生まれます。 


                        

    ■低年齢に対してもスキルが要求されています。 

  3年生でスキルを身につけるためには。その前に何をすればいいか。  

     1.サッカーの動きができるためのコーディネーション   
         これは、サッカーの複雑な動きをするためには、サッカーのミニゲームだ
         けでは身につけることが難しいので、「コーディネーショントレーニング」を
         行って、ボール練習や相手ありの練習でも体を上手に使う土台を作るこ
         とです。  
     2.鬼ごっこを見直してみませんか      
         ビブスを腰のあたりに挟んで、お互いのビブスを取り合う。        
         いわゆる「しっぽトリ」のトレーニング。     
         この遊び感覚のトレーニングで、身に付くことがあります。    
        (1)攻めに出る気持ち    
        (2)背後の気配を感じ取ること    
        (3)ビブスを取られずに相手のビブスを取る、かけひき   
        (4)連続して、ビブスを取りに行く「積極的な姿勢」    
        (5)とられて悔しい、とって嬉しいという勝ち負けと成功体験    
        (6)回りを見ておいて、鬼の居場所を判断して、かけひきする。  
     3.相手がいる状態でもいない状態でも慌てないでプレーできる。
         これは難しいかもしれませんが、自信がついてきてはじめて 「かけひき」 
         ができると思います。スキルの多くは「かけひきに使うもの」という土台 
         と、サッカーではボールを持っていると相手が必ず取りに来るスポーツな
         ので、取られないたには、ドリブルのスキルを磨くことと、回りを観る能力
         を身につけるしかありません。   
          また、相手が近づいてくるのが当たり前で、この相手とかけひきするこ
         とがサッカーだという事に気がついて欲しいものです。

                       

      
     ■しつこくとレーニングを続けよう  

 「JFAチャレンジゲーム めざせファンタジスタ」
  http://www.jfa-challengegame.com/index2.html 
  本屋さんに行くとDVD付きブックも売っています。
  http://tinyurl.com/48cm34
  もちろん、土屋健二ことケンのジンガ、フェイント、リフティングを練習中の君たちなら
ば、ボールコントロールに自信があると思います。 

                      
 
     ■スキルフルな4年生になるために 

 1年生〜3年生まで、「サッカーは楽しい」と感じさせながら、「サッカーは楽しい、け
ど、キビシイ」 この両面をうまく指導していく事が必用です。 「ハードワーク」を身につけ
るための土台としても重要です。 走り続ければ辛い、でも、ボールを奪ったらこっちの
モノ! こういうメンタル面の土台は、3年生以下でも指導することが可能です。

                     


   ■U10トレセンでは? 

  ボールだけの技術でなく、相手の逆をとる技術も必要です。 日頃の練習から「相手
をつけた」トレーニングをすること。相手のプレスもだんだん強くしていくこと。 これで、目
の前の1人ぐらいは簡単にかわせるスキルを身につけて欲しいところです。 
 規律面や自出性などは、5,6年生でも身に付きます。
 特に厳しくする必要はないと考えます。 それよりも「自己管理」の基礎づくりが大切で
す。
 自分で用具を準備できること、コーチの話を聞いて、自宅で、実際に行動を起こせる
事。 
 土台でありスタートラインのU10世代ですが、よい土台、よいスタートを切るために
は、U9以下で質のよいトレーニングを行うことが必要です。 
 この内容をクラブのコーチから聞いている選手は問題ありませんが、「初めて聞く」、と
いう場合は、仲間でトレセンに言いている子がいたら、自分から聞き出せるくらいの積
極性がほしいですね。これは、子供同士がやることです。親ごさんは、じっと見守ってく
ださい。  


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望」と書いて管理人の「やじま」までメールしてください。後ほど、NABOさんからメール
届きますのでその指示に従ってください。
no2 「JFAチャレンジゲーム めざせファンタジスタ」をご存じですか?
    2008,10,18 

   ■はじめに

 「JFAチャレンジゲーム めざせファンタジスタ」とは、昨年からスタートしたJFAのプログ
ラムです。
 いきなりJFAの宣伝?と言われそうですが、そうじゃありません。具体的には次のペー
ジをご覧になるとわかりやすいですよ。
 こちらにくわしく内容がでています。
http://www.jfa-challengegame.com/index2.html
 本屋さんに行くとDVD付きブックも売っています。

    ■小さいうちから始めよう

 めざせファンタジスタはU8以上、つまり、小学2年生以上からの内容です。めざせクラ
ッキはU8以下、つまり、小学2年生未満の内容です。
 このプロジェクトの狙いは、ふたつあります。
 ひとつは、外遊びが少なくなった現代では、小学校に上がるまでのキッズ年代で遊びの
なかで身につけるべき運動能力を、サッカー的な遊びのなかで、「計画的に」身につけて
いこうというものです。
 思い当たる事がありませんか。天気のよい日曜日に、自宅でテレビゲームしていたら、
運動能力は育ちませんよね。
 外遊びが少なくなった事は、場所も少なくなった事もあげられますけどね。

    ■ケンは時代をリードしていた

 もうひとつは、やはり、日本人はボールコントロールをしっかり身につけて欲しいという
目的です。
 体格に劣る日本人は南米系のサッカー(ケンのように)プラス、動いて、走って組織プレ
ーを展開するサッカーが向いている事はオシムさんの時代から言われている事です。
ボール扱いといえばリフティングです。ケンはリフティングの大切さを世界的な視野から
見ても大切だという事で、日本中を飛び回っていたんですね。
 日本サッカーの底辺を作った男といえるでしょう。(パチパチ)
このめざせファンタジスタでは、リフティングのほかにも、ドリブル、ターン、フェイントのを
取り上げています。
 それに加え、手でボールを扱うこともします。やってみると面白いですよ。ぜひ、親子で
やってみてください。
 これは、「コーディネーショントレーニング」と呼ばれるもので、わかりやすく言えば、「身
のこなし」のトレーニングです。
 このコーディネーション能力は、小さいうちに身につきやすいと言われています。赤ちゃ
んでも、立てるようになったら始められるメニューもあるくらいです。
 この、コーディネーション能力を身につけておいて、小学2年生ぐらいからボールを扱っ
た本格的なサッカーのトレーニングに入っていく事で、効率よく上達ができるという仕組
みです。
 これを小学3年生ぐらいから同時に始めるとどうなるでしょうか。
リフティングそのものが体のバランスを取る練習にもなるのですが、バランスが取れない
体ではなかなか上達しづらいものです。
 この「めざせファンタジスタ」の特徴は、体の全部を平均的に使うという事です。左右の
足、手、頭を全部つかいます。
 そして、上達具合によって「級」を作っています。7級からスタートして20級までありま
す。
 20級はケンだったら朝飯前ですが、難しいですよ。でも、飛び級なしで、ステップアップ
する仕組みになっています。
 ちなみに7級は白バッジです。20級は金バッジです。検定試験を受けるとバッジがもら
える仕組みです。NABOコーチのチームやトレセンでも、全員が「めざせファンタジスタ」
の本を買ってDVDを見ながら練習しています。
 年に何回か検定会をします。私は検定資格をもっています。
 皆さんのチームでも、検定申請をして、検定会をやると楽しいと思います。手帳ももらえ
るので、計画的に取り組めます。
 おまけに、級をとるとサッカー協会の先ほどのホームページに名前を載せてもらえま
す。有名になったらどうしよう。Jリーグから誘われるかもしれないぞ。

     ■負けず嫌いになろう、何でも1番を目指そう

 NABOコーチのチームでは、去年から検定会を始めていますが、こんなことがありまし
た。
 白バッジの7級になかなか合格できない子がいました。
試合では活躍するのですが、左足でボールをすくい上げるというテストが出来なくてなか
なか合格できませんでした。
 でも、両足を使えるように練習したおかげで、今は中学生のクラブチームで活躍してい
ます。たまに左足でもシュートするそうです。暗くなるまで、泣きそうになりながら一生懸
命練習していた姿を思い出します。
                                        

     ■さいごに

 めざせファンタジスタは全国の書店かアマゾンで送料無料で購入できます。
http://tinyurl.com/48cm34
 ケンのリフティングやジンガやフェイントのビデオを見て練習している君たちなら、「これ
カンタン!」というメニューもあるので、20級目指して頑張ろう!
 コツは、「出来ないって言わない」事!
またね レッツトライ!
no1 合言葉は レッツトライです。ミスを恐れず、まずやってみましょう  
     2008,10,11

  はじめまして NABO です。
 私は、どこにでもある小さなチームのコーチです。
 有名なチームのコーチはセレクションを通過した選手しか相手にしません。
 元プロの選手は本を出しますが、少年サッカーの現場の声は知りませんよね。
 だから、出来ない子供たちを出来るように日々努力している現場の声には対応でき
ません。 
 都道府県のトレセンコーチ達も、知っているけど本に書いたり、メルマガやレポートで
情報を発信しようとする人はほとんどいません。 
 トレセンに行っている子は知っていても、言ってない子は知らない。それでいいのでし
ょうか?。
 そこで、私がその疑問や隙間を埋めるために、情報を提供したいとおもいます。 
 私は地区と県のトレセンコーチをしていますが、熱心にコーチングしてくれているコー
チ達には本当に頭がさがりますが、何を子供たちに伝えたいのか、子供たちは何を受
け止めたか疑問になることがあります。
  サッカーはコーチがいないと上達しません。でも、保護者がしっかり勉強すればコー
チをすることができます。 
 サッカー少年少女を持つ保護者やサッカーコーチ初心者が知っていて損はありませ
ん。
 保護者はコーチと同じぐらい子供たちへの影響力があります。つまり、サッカーが上
達したければ家庭から、という事です。 
 始める時に「遅すぎる」事はありません。今からでも十分間に合います。がんばりまし
ょう。 
 合言葉は レッツトライです。ミスを恐れず、まずやってみましょう     
 ただ今、専用プログも構築中・・・。
そちらも、お楽しみ・・・。 

                                少年サッカーコーチ NABO

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   メールマガジンを発行しますご希望の方件名に「メルマガ希望と書いて」は管
理人の「やじま」までメールしてください。
   以下はNABOさんからの紹介文です。

 創刊号は次のような内容になります。 
 なお、今回、メールマガジン登録される方に、無料でレポートを差し上げるそうです。 
タイトルは「少年サッカー、9週間で上達する練習法」 現役サッカーコーチが結果を出
している練習方法です。無料ですのでぜひ読んでみてください。 
 なお、私NABOコーチは、ケンやマッシーの友人です。
 リフティングやドリブルの大切さをよく知っています。これまで、誰も教えてくれなかっ
たサッカー上達法やサッカーで活躍するためのコツなどを聞き出す事ができました。ケ
ンやマッシーのテクニックと合わせて、サッカー少年のお父さん、お母さん、そしてサッ
カーコーチ初心者にお勧めのメルマガと無料レポートです。ぜひ、申し込んでください
ね。    


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